邦画ブラボー

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「嗤う伊右衛門」

2005年06月26日 | ★愛!の映画
京極夏彦原作 蜷川幸男監督作品「嗤う伊右衛門」を見た。

笑ったことが無い男、伊右衛門(唐沢寿明)は
勝気で情熱的な岩(小雪)と結ばれるが・・

唐突でわかりにくい筋運びは意図的なのだろうか?

そしてお岩さん迫力あって凶暴!
現代的なムスメ。

小股くぐりの又市も登場して二人に関わっているが
「怪」シリーズでお馴染みの田辺誠一とは違って、
男臭く現実味のある又市(香川照之)。

衣装は普通の坊主のいでたちで、
やっぱり「怪」でのスタイリッシュな又市ファッションは、
京極のビジュアル口出しだったのだと思われる。

お梅の肌露出多し。

汗まみれの肌の質感、べたつく血の感触が
画面からぬるぬると感じられるよう。
これを不快と思う向きもござろう。

終盤どんどん陰惨味に加速度がついてきて、
伊右衛門の隣人役・池内博之は体当たりの熱演だったが、
延々続く残酷描写にちょっと辟易したりもした。

椎名桔平、珍しい悪役。
六平直政 は「忠臣蔵―四谷怪談」に続き、
本作でも宅悦を演じていた。

斬ったり騙したりわめいたり恨んだりの浮世の惨劇も、
ラストで一気に昇華・・の演出は素晴らしかった。

最近は純愛の物語が流行っているようだけど、
これは狂熱の愛の物語。

ヘビーです。

さて伊右衛門はいつ嗤ったのでしょう・・・・?

脚本 筒井ともみ 蜷川幸男監督作品 美術 中澤克巳

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