大阪船場にある大店の若旦那柳吉(森繁久彌)は
芸者蝶子(淡島千景)と駆け落ちして勘当されてしまう。
蝶子は柳吉にとことんつくす可愛い女だ。
勘当という言葉も今はあまり聞かなくなった。
親としてのけじめのつけ方があった時代。
蝶子が身を粉にして働いた金を
一晩で飲んでしまった挙句、
病に倒れる柳吉。
泣く暇も無いくらい苦労の連続の蝶子。
淡島千景、綺麗ですよ。
森繁がどうしようもなくだらしない
ボンボンにはまっている。
勘当された身でありながら実家に赴いて
虚勢を張ってみたり、金を無心してみたり。
だらしないくせに見栄っ張り。
蝶子にみせる甘えた顔、
うろたえた様子、どれもこれも人間国宝の芸!
「風情」、「人情」という言葉頭の中に漂う。
柳吉の妹・筆子(司葉子)が迎えた婿養子に山茶花究。
この人はやくざ、役人、商人どんな役をやっても最高!
「キチガイのようにきれい好き」で、
几帳面な商売人を演じていて見ものです。
じっと見ていたくなる俳優さんだ。
森繁との台詞の間も抜群。
柳吉を勘当した父に小堀誠 、
置屋のおかみ、浪花千栄子、ちゃっかりした柳吉の腰巾着に田中春男、
本物のてんぷらやのような蝶子の父役、田村楽太 など、
脇も芸達者がそろっている。
「夫婦善哉」の店、
当時ハイカラの象徴だった、「ライスカレー」が出る食堂。
巨匠伊藤熹朔による法善寺横町や大阪の商店などの美術、
ため息が出るほど素晴らしい。
思うひとがいて思われる人がいる。
この二人、すったもんだしても最高に幸せなんだろうなあ。
雪の法善寺横町を寄り添って歩く二人。
「道行」などという言葉も思い出す。
こんな上質の映画を
なかなか映画館で見られないのは残念で不思議。
1955年 豊田四郎監督作品 脚本八住利雄 美術 伊藤熹朔
原作 織田作之助 音楽 団伊玖磨
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芸者蝶子(淡島千景)と駆け落ちして勘当されてしまう。
蝶子は柳吉にとことんつくす可愛い女だ。
勘当という言葉も今はあまり聞かなくなった。
親としてのけじめのつけ方があった時代。
蝶子が身を粉にして働いた金を
一晩で飲んでしまった挙句、
病に倒れる柳吉。
泣く暇も無いくらい苦労の連続の蝶子。
淡島千景、綺麗ですよ。
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ボンボンにはまっている。
勘当された身でありながら実家に赴いて
虚勢を張ってみたり、金を無心してみたり。
だらしないくせに見栄っ張り。
蝶子にみせる甘えた顔、
うろたえた様子、どれもこれも人間国宝の芸!
「風情」、「人情」という言葉頭の中に漂う。
柳吉の妹・筆子(司葉子)が迎えた婿養子に山茶花究。
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几帳面な商売人を演じていて見ものです。
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柳吉を勘当した父に小堀誠 、
置屋のおかみ、浪花千栄子、ちゃっかりした柳吉の腰巾着に田中春男、
本物のてんぷらやのような蝶子の父役、田村楽太 など、
脇も芸達者がそろっている。
「夫婦善哉」の店、
当時ハイカラの象徴だった、「ライスカレー」が出る食堂。
巨匠伊藤熹朔による法善寺横町や大阪の商店などの美術、
ため息が出るほど素晴らしい。
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この二人、すったもんだしても最高に幸せなんだろうなあ。
雪の法善寺横町を寄り添って歩く二人。
「道行」などという言葉も思い出す。
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原作 織田作之助 音楽 団伊玖磨
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