「ブラザー軒」という歌が好きだ。
男は七夕の夜、かき氷屋に入る。
硝子簾がキラキラ波うつ。
あたりには氷を噛む音。
やがて
死んだ父親と妹がやってきてそばに座り氷を食べ始める・・
二人には言葉が無い。二人は僕が見えない。
菅原克己さんという詩人が書いた詩に高田渡が曲をつけた、
あの世とこの世が混ざり合う七夕の夜の歌。
マリー・ローランサンも金子光晴の詩も
彼の曲がついてあの歌声が乗ると
まったく思いも寄らない方向から
聞くものの心にひたひたと入り込み新しく蘇る。
愉快なステージでの喋りや
街を飄々と歩く姿、
自宅での様子から生き様が浮かびあがってくる。
息子さんである高田漣さんのインタビューからは
偉大な先輩ミュージシャンへの尊敬の念が感じられた。
高田渡はいつも陽気に酔っぱらっているけど、
ギターを背負うとやっぱり半径2mにはただものでは無い風が吹く。
もちろんだが、普通のオジサンではナイ。
ついこのあいだ俳優の佐野史郎がテレビで語っていた、
伝説の中津川フォークジャンボリーでの
ステージがちょっと映る。
当然姿は若いが、歌声は変わらない。
当時松江の中学生だった佐野少年も貯金をはたいてかけつけたそうだ。
あれから
30数年経って
みんなが髪を切って会社に入ってスーツを着て満員電車に揺られ車を買い
家のローンを払ってヒルズ族がどうたら言っていた時も
彼はずっと中央線や地方のライブハウスで歌い続けていた。
追っかけをしていたという、柄本明も言っているけど、
そんな生き方は真似したくても出来ないって。
私たちは彼の歌を聴いて
自分が捨ててきてしまったもの、
大切で懐かしいものを思い出すしかないのだろう。
だがこの映画を撮ったのは
70年代生まれの監督さんというのはとても興味深い。
若い世代に彼の歌、彼の生き方はどう映るのだろうか。
コマーシャルで使われた「私の青空」は最高にゴキゲンな名曲だ。
昔エノケンも歌っていたそうだけど
こんなにいい歌だったっけ?
亡くなってからがぜん
再評価が高まっている彼だが、
その魅力があますところなく詰め込まれた
続編ともいえる「タカダワタル的ゼロ」が、
5月にテアトル新宿・吉祥寺バウスシアターにて公開決定だそうだ!
2003年 タナダユキ 監督
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日本映画専門チャンネルでは
タナダユキ監督作「タカダワタル的」と監督インタビューを放送。
あなたはなぜ映画をつくるのか?
タナダユキ「映画はたくさん嘘をつく。本当は夜なのに昼のシーンとして描いたり、
実際は存在していない人物が登場したり・・・
(リンク先はこちら)
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●日本映画専門チャンネル
●時代劇専門チャンネル
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男は七夕の夜、かき氷屋に入る。
硝子簾がキラキラ波うつ。
あたりには氷を噛む音。
やがて
死んだ父親と妹がやってきてそばに座り氷を食べ始める・・
二人には言葉が無い。二人は僕が見えない。
菅原克己さんという詩人が書いた詩に高田渡が曲をつけた、
あの世とこの世が混ざり合う七夕の夜の歌。
マリー・ローランサンも金子光晴の詩も
彼の曲がついてあの歌声が乗ると
まったく思いも寄らない方向から
聞くものの心にひたひたと入り込み新しく蘇る。
愉快なステージでの喋りや
街を飄々と歩く姿、
自宅での様子から生き様が浮かびあがってくる。
息子さんである高田漣さんのインタビューからは
偉大な先輩ミュージシャンへの尊敬の念が感じられた。
高田渡はいつも陽気に酔っぱらっているけど、
ギターを背負うとやっぱり半径2mにはただものでは無い風が吹く。
もちろんだが、普通のオジサンではナイ。
ついこのあいだ俳優の佐野史郎がテレビで語っていた、
伝説の中津川フォークジャンボリーでの
ステージがちょっと映る。
当然姿は若いが、歌声は変わらない。
当時松江の中学生だった佐野少年も貯金をはたいてかけつけたそうだ。
あれから
30数年経って
みんなが髪を切って会社に入ってスーツを着て満員電車に揺られ車を買い
家のローンを払ってヒルズ族がどうたら言っていた時も
彼はずっと中央線や地方のライブハウスで歌い続けていた。
追っかけをしていたという、柄本明も言っているけど、
そんな生き方は真似したくても出来ないって。
私たちは彼の歌を聴いて
自分が捨ててきてしまったもの、
大切で懐かしいものを思い出すしかないのだろう。
だがこの映画を撮ったのは
70年代生まれの監督さんというのはとても興味深い。
若い世代に彼の歌、彼の生き方はどう映るのだろうか。
コマーシャルで使われた「私の青空」は最高にゴキゲンな名曲だ。
昔エノケンも歌っていたそうだけど
こんなにいい歌だったっけ?
亡くなってからがぜん
再評価が高まっている彼だが、
その魅力があますところなく詰め込まれた
続編ともいえる「タカダワタル的ゼロ」が、
5月にテアトル新宿・吉祥寺バウスシアターにて公開決定だそうだ!
2003年 タナダユキ 監督
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タナダユキ監督作「タカダワタル的」と監督インタビューを放送。
あなたはなぜ映画をつくるのか?
タナダユキ「映画はたくさん嘘をつく。本当は夜なのに昼のシーンとして描いたり、
実際は存在していない人物が登場したり・・・
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