某ホテルチェーンといい、○イブド○といい、企業の不祥事が立て続けに起こっています。バブル崩壊以後、こういう事態の多発が恒常化してきているような気がします。そのためにCSR(coporate social responsibility=企業の社会的責任)などということが喧しく言われるようになった背景でもあると思います。
では昔はそんなことは無かったのでしょうか?いえ。そんなことはないと思うのです。むしろ昔の方がやりたい放題だったのではないでしょうか。
例えば「セクハラ」という概念がありますね。この言葉は、1980年代半ば頃から社会的に喧伝されるようになりました。特に1986年の男女雇用機会均等法以降、知らないと常識を疑われるようになりました。ではこの言葉ができる以前、1980年以前には我が国の職場にセクハラは全く無かったのでしょうか?
私の学部時代の恩師の話だと、むしろ1980年以前は男は職場で女性にセクハラをやりたい放題だったようです。特に立場の弱い新入社員とかは腐った上司のセクハラの標的だったらしい。そのことを人々は良く知っていたと言います。だから所謂良家は娘を間違っても就職させなかったそうです。家に置いて家事手伝いをさせながら花嫁修業をさせて、しかるべき良家の子弟と見合いをさせて結婚させるというのが普通だったそうな(いまならニートと言われるかも)。
私は恩師のお話を聞いて「まさか?そんな!」と思いました。そう申しますと、先生は「では君の妹さんの卒業生名簿の進路の欄を見てごらん」とおっしゃいました。狐に抓まれたような思いで、妹の卒業生名簿を見せてもらいました。しばらく眺めていると分かったことがありました。進路・就職先の欄が空白の人が実に多いのです。妹は英米文学科卒なので小中高教師などが多いのでは、と思っていたのですがそうでもないのです。妹に進路・就職先が空白の人たちはどうしたのか聞いてみると、家事手伝いではないかと言います。先生のおっしゃった通りだ!と驚きました。実は妹は東京でも結構有名なお嬢さん大学を卒業していたのです(妹はもちろん就職しましたよ)。「なるほど」と考え込んでしまいました。結局、昔はモラルハザードが蔓延していたけれども社会的チェックが厳しくなって、そういうことが厭でも目に付くようになってしまったのではないかと考えた訳です。
これは分析技術が進歩すると今まで想像もされていなかった人体有害物質が発見される仕組みに似ています。実際に1960年代後半以降PPMレベルで有害物質が検出されるようになると、私達の周囲は有害物質に満ち溢れていることが分かって、1970年以降実に多くの化学物質が使用禁止になりました(AF2とか懐かしいですね)。また天体観測技術の進歩によってNEAR(小惑星などの地球近傍天体)が地球に衝突する危険性が理解されるようになったり、高層大気観測技術の進歩によってフロン等によるオゾン層破壊の実態が明らかになったりといった具合ですね。こういうことに良く似ています。
そう考えると私達の社会は劣化してきているのではなく、元々どうしようもなく劣化していたということが分かるようになってしまったといった方が実態を反映しているかもしれませんね。
逆に元々存在したチェック機能(例えば水源涵養林を保持するために近代以前は神仏の威力に頼っていたものが合理精神によって伐採されてしまい環境劣化が起こるとか)が失われてモラルハザードが復活するといった事態も考えられますし、逆に技術の進歩によって元々チェック機能が用意されていないモラルハザードが起こったり(ネット犯罪とか)ということも考えられるので一概には言えませんが・・・
では昔はそんなことは無かったのでしょうか?いえ。そんなことはないと思うのです。むしろ昔の方がやりたい放題だったのではないでしょうか。
例えば「セクハラ」という概念がありますね。この言葉は、1980年代半ば頃から社会的に喧伝されるようになりました。特に1986年の男女雇用機会均等法以降、知らないと常識を疑われるようになりました。ではこの言葉ができる以前、1980年以前には我が国の職場にセクハラは全く無かったのでしょうか?
私の学部時代の恩師の話だと、むしろ1980年以前は男は職場で女性にセクハラをやりたい放題だったようです。特に立場の弱い新入社員とかは腐った上司のセクハラの標的だったらしい。そのことを人々は良く知っていたと言います。だから所謂良家は娘を間違っても就職させなかったそうです。家に置いて家事手伝いをさせながら花嫁修業をさせて、しかるべき良家の子弟と見合いをさせて結婚させるというのが普通だったそうな(いまならニートと言われるかも)。
私は恩師のお話を聞いて「まさか?そんな!」と思いました。そう申しますと、先生は「では君の妹さんの卒業生名簿の進路の欄を見てごらん」とおっしゃいました。狐に抓まれたような思いで、妹の卒業生名簿を見せてもらいました。しばらく眺めていると分かったことがありました。進路・就職先の欄が空白の人が実に多いのです。妹は英米文学科卒なので小中高教師などが多いのでは、と思っていたのですがそうでもないのです。妹に進路・就職先が空白の人たちはどうしたのか聞いてみると、家事手伝いではないかと言います。先生のおっしゃった通りだ!と驚きました。実は妹は東京でも結構有名なお嬢さん大学を卒業していたのです(妹はもちろん就職しましたよ)。「なるほど」と考え込んでしまいました。結局、昔はモラルハザードが蔓延していたけれども社会的チェックが厳しくなって、そういうことが厭でも目に付くようになってしまったのではないかと考えた訳です。
これは分析技術が進歩すると今まで想像もされていなかった人体有害物質が発見される仕組みに似ています。実際に1960年代後半以降PPMレベルで有害物質が検出されるようになると、私達の周囲は有害物質に満ち溢れていることが分かって、1970年以降実に多くの化学物質が使用禁止になりました(AF2とか懐かしいですね)。また天体観測技術の進歩によってNEAR(小惑星などの地球近傍天体)が地球に衝突する危険性が理解されるようになったり、高層大気観測技術の進歩によってフロン等によるオゾン層破壊の実態が明らかになったりといった具合ですね。こういうことに良く似ています。
そう考えると私達の社会は劣化してきているのではなく、元々どうしようもなく劣化していたということが分かるようになってしまったといった方が実態を反映しているかもしれませんね。
逆に元々存在したチェック機能(例えば水源涵養林を保持するために近代以前は神仏の威力に頼っていたものが合理精神によって伐採されてしまい環境劣化が起こるとか)が失われてモラルハザードが復活するといった事態も考えられますし、逆に技術の進歩によって元々チェック機能が用意されていないモラルハザードが起こったり(ネット犯罪とか)ということも考えられるので一概には言えませんが・・・