あんまり花を楽しめぬまま長谷寺を後にすると
さすがにお腹が減ってきた。
ここは温泉街でもあり、旅館が参道に数多く並び
行き道では頻りと参詣者をお昼ご飯にと呼び込んでいた。
この季節のメニューはどこのお店も決まって
「にゅーめん・胡麻豆腐・竹の子ごはんor柿の葉寿司」
行きはまだそんなお腹も減ってないし
どこでも変わり映えしないメニューだし
帰り道に適当なお店に入れば良いわ
と高をくくっていたのだが、昼も3時を過ぎると殆どの店はランチタイムを終えて
本来の業務である旅館の準備に入る為、店を閉めている。
これは困った。
お土産屋さんの店頭に並ぶ、「草もち」では食べた気がせんやろうし
なんて途方にくれていたら、まだ大丈夫ですよと
「長谷寺前 御食事処 田中屋」
メニューは先程も書いた通り、ほぼ同じであるが、
筆者は柿の葉寿司ではなく、やはり今が旬の竹の子ごはんを選択
これが意外と言っては失礼だが美味しい!
たまたま入った店が「当たり」であった。
自家製の胡麻豆腐は市販のねっとりとは違い、少々胡麻本来のザラつきが残されている。
上に乗せられた山葵も直接ではなく、間にキュウリを挟む工夫が。
竹の子ごはんの竹の子も、これは朝掘りとみた!
別に「朝掘りとみた!」と偉そうに言わなくとも、参道の両脇には
「朝掘り竹の子」とかなりの大きさの物が200~300円と嘘みたいな値段で並べられているような場所なので、当然そうなのであろう。
そしてメインのにゅうめん。
観光地のにゅうめんと言えば、
三輪素麺の地元も地元大神神社に初詣に行った時、
寒空の下散々並ばされた挙句に出てきたにゅうめんが
1200円で殆ど具も入っておらず、肝心の麺も何これ?
とふやけた物だったという残念な記憶があるので、余り期待をしていなかったのだが
ここのにゅうめんはちょっと驚き!
具も海老・椎茸・玉子焼き・等々まだあったのか?と思う程出てくる。
麺そのものもちょうど程よき茹で具合、
そして、ダシも勿論インスタントだしの元なんぞではなく、鰹節の良い物をたっぷり使っている。
おみそれしやした!
これで1360円なら大満足!!
女将さんもとても愛想良く
観光地でなくとも充分商売になりまっせ。