キングス木製客車キットに取り掛かっているのだが、これが中々手強く、最初の工程で躓いて先に進めない。他の仕掛品に手を付けたりしつつ、何度もやり直しているが、心が折れそう。仕事の方も納期に追われて、逃げ場が無い。久しぶりに猫カフェでも行くか。
というわけで、鉄道構造物シリーズ、今回は小ネタ。
近所にある新城市(英語でNewcastle upon Tyne)は、その名の通りTyne川の北岸に位置する城塞都市である。Tyne川はこの辺りまで外航船が遡上できたので、北岸のNewcastleと南岸のGatesheadは交易と石炭の積み出しで栄えていた。
LondonとEdinburghを結ぶ鉄道はここでTyne川を渡ることになるのだが、両岸の段丘上に敷設された線路と高さを合わせるために、高い位置に架橋する必要があった。High Level Bridgeの名前はここから来ている。建設当時まだ鋼材は使えず、鋳鉄のアーチでスパンを稼ぎ、二層構造にして下段の道路の通行料で建設費を回収することを目論んだ。1849年完成。
この写真で奥に紅白の橋が写っているが、これは船を通すため旋回橋になっている。High Level Bridge架設まで、段丘上の駅からこのレヴェルまで鋼索式鉄道で貨車を上下させていた。 更に奥に鋼アーチ橋が架かっているが、道路橋なので割愛。
架設当時はこの橋が本線だったが、Newcastle駅でスイッチバックが必要だったため、後に西側にKing Edward VII橋を架設し、東海岸本線の直通列車はそっちを通る様になった。High Level Bridgeも補修されて一応現役だが、御覧の通りローカル列車しか通らない。下段の道路は、補強追加で道幅が狭くなり、南方面専用バスレーンになっている。
逆光で潰れているが、振り向いてKing Edward VII橋を見たところ。IC225列車が通過中。錬鉄のラティスガーダ橋で、High Level Bridgeよりスパンが少し伸びている。更に奥にあるPC桁の道路橋と重なってしまっているが、気にしないで下さい。手前は20世紀末に架けられたMetro路線のQueen Elizabeth橋。技術の進歩で流路を一気に跨いでいる。流石大英帝国だけあって、地方都市に立派な橋を幾つも建設し、しっかり維持するだけの経済力がある。建造物ヲタとしては、色々な橋を眺められて飽きない。