去年の暮れに、ナポリ近郊に住む友人がお土産に持って来てくれた、ナポリ名物のお菓子ババを食べました。
ババは小麦粉、卵、砂糖、塩、イーストを混ぜて練った生地を発酵させて、型に入れて焼き、ラム酒入りのシロップに浸したお菓子です。
硬くなったオーストリアのお菓子クグロフにワインとシロップを浸したものが、ババの原型だそうです。それがパリで、今のようにキノコ型にラム酒入りのシロップに浸したババが出来たのは、1835年だそうです。そしてパリで修業をしたナポリの菓子職人がナポリでババを作るようになったと言われています。
友人がくれた、カンパーニャ州サレルノ県にあるアマルフィ町の近くにある有名なお菓子屋さんのババ。このババは、ラム酒ではなく、リモンチェッロ(リモンチェッロは、ナポリの海沿い周辺が原産で、レモンの皮で作られたリキュール)で浸されています。原材料を見ると、リモンチェッロに使われるレモンは、アマルフィ周辺で作られる名産のレモンで、バーボンバニラと砂糖の代りにアカシアの蜂蜜が使われています。
食べる前に冷凍室入れておくように。と言われていたので、冷凍室入れておいて出してみると、シャーベット状になっていました。ラベルをよく見るとアルコール度数は15%(リモンチェッロは普通30%以上のアルコールが含まれていて、冷凍庫に入れておきます)。それで凍ってしまったようです。
でも少ししてすぐに溶けました。
ババ。親指程の大きさです。冷たいババを口に含むと、甘さは控えめで、レモンの皮のほろ苦い風味のリモンチェッロがしみでてきます。