sugger's blog@三宅島

三宅島に移住して18年目になりました。
自然ガイドHitomiが島暮らしのことや三宅島の魅力をお届けします♡

守る防災ではなく、自然を見て活かす防災に。

2012年02月08日 | イベント

しばらくの間、ちょいと訳あってなかなか更新できずすみません・・・

先週末は火山専門家の先生方と一緒に火山を歩く「GEOセミナー」が開催されました。
といっても、火の山ウォーキング実行委員のメンバー対象に行われたもので、役場、支庁、
レンジャー、自然ガイドキュルルが参加しました。

お天気はよかったものの、西風が12mほど吹く予報の中歩いて巡る予定だったが、
急遽ポイントまで車で移動しながら回ることに。山はより寒かったー。

島内のあちこちで見られる土の断面。
何気なく見過ごすとただの壁。でも、それぞれの壁によって地層の色も詰っている物も違う。

大学の頃から三宅島をフィールドとして研究されてきた新堀さんと三宅高校の地学の先生だった
青谷先生と一緒に巡りました。
毎度のことながら、まだまだ知らない事ばかりで、今回も糖分補給しなきゃ頭に詰め込めない
くらい色んな事を教わりました。

GEO(ジオ)はかなりマニアックな分野ではあるが、三宅島自体を作り上げてきたもの。
伊豆小笠原火山帯にそびえる島々はこれなくしては語れないものなのです!!!

コレを自然ガイドとして、どう伝えるのか?面白く楽しく自然について知ってもらうには?
分かりやすく伝えるには?自身にもとても重要な課題が次々と出てきます。

今回は役場の職員も同行したので、日ごろめったに立ち入ることが出来ない巨大な溝(ガリー)へ
みんなで降りてみました。
(この巨大なガリーは立根を過ぎたところにある角屋敷の巨大な沢につながる沢の上流にあたる場所)

これはすごい!!ほんとにすごかったーーーーーーーーーーー!!!!

もともと雄山林道から見える巨大な地層は自然が作り上げた芸術といってもよいぐらい
見事なものだが、下からみるのはもちろん初めて。まさに圧巻!!

去年も実登しながら見どころを開拓してきましたが、今回さらに増えたこともあり、
来月の火の山ウォーキングが楽しみです!!!(来週は25km実登します!)

最後は去年新たに「高尾の森づくり」のみなさんが伊豆緑産の方々と作った「坪田古道」を
みんなで歩いてみました。

火の山ウォーキングの魅力は、ここでしか見れない火山景観以外にも、噴火で影響を受けた土壌
(草木が枯れてなにもないところ)から極相林(三宅島の植生の一番最終段階にある深い森)までの
一連を見て回れるところ。

これは火山を繰り返す火山島ならではなのです!!

今回も「なるほど!!」「そうだったのか!!」ということばかりでした。



その一つをちょこっとお話します。

新堀さんのひとこと
「みえないものをイメージする」

ちょっとマニアックだけど、土と対話することで三宅島が誕生してから幾度となく
繰り返されてきた噴火によって築かれてきたものを読み取る。
それを、私たちガイドは分かりやすく興味深い話術で伝えることがインタープリター
としての役割だということ。

そして、ただ火山景観を見せて自然を知るだけではなく、防災という視点からも
伝える事ができるということ。
火山を研究されている方々は、地層や火山への探究心を突き詰めて来られた結果、
その研究が日本の防災へと役立てられている。

そんな防災も堅苦しく
「守る防災というよりも、自然を見て学んで活かす防災」になればと
新堀さんは締めくくられた。


例えば、巨大なガリーは山頂部に森があれば鉄砲水が下ることもないが、森がないと
どんどんと水が土を削り巨大な溝をつくりあげる。そして、それらの土を含んだ雨水は
そのまま海へと流れていく・・・とか。
こんな巨大な噴石を見て「こんなのが飛んできたら、ひとたまりもないね」と感じることだとか。


三宅島はモデルとなるべき素晴らしい場所であり、また五感で体感できる最高のフィールド
なのではないでしょうか?!

 

新堀さん、青谷先生ありがとうございましたm(_ _)m
学んだことをガイドという立場でしっかりと活かして行きたいと思います。 
そして、同行されたみなさん本当にお疲れさまでした!!

来週もよろしくお願いします!!

 




  いつもありがとうございます☆ 
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