睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

愛しのお馬たち

2009-07-26 10:02:21 | 身近にいる生き物

1998年の有馬記念はグラスワンダーが勝ち、メジロライアンのご子息が
連を確保した。オグリキャップや骨折休養明けのトウカイテイオーを彷彿と
するレースに、やっぱり有馬記念は「ドラマチック有馬」だと思った。
全馬無事に走り終えた。

ターフを去り行く馬に哀愁を覚えつつ、強い馬の復活を喜び、ライアンの夢を
来年に渡す掛け橋を見た。
「これが1年を締めくくる有馬記念だ」という有馬を見て年の瀬を実感した。

この年、タイキシャトルが無事に種牡馬入りした。
サイレンススズカの追悼式で1万人の記帳と遺品のタテガミが納められた。
ターフニュースやこんな拙いレース回顧だけど。ここに残しておくことが
ムダなことじゃないと思うようになった。人も馬も確固たる明日はない。
生きているモノの宿命として「命」の果てに限りがある。
しかも突然くる。

サイレンススズカが逝ったとき、まさか...そんなはずは、嘘だと思った。
彼はレースでは死なない馬だと思っていた。時がたち「彼の死」をしっかり
受け止めたとき、彼の生前のレースのことや私に与えたインパクトなどを
書きたいと思った。なのに私は彼に関して何の記述も持っていない。

サイレンススズカの新馬デピューのときに感じた「大物感」やゲートを
くぐってしまった弥生賞のことなど.....一行も文字に残していなかった。
せめて彼のダービーや観衆を沸かせた天皇賞のことは書きたいと思った。
記憶ほどアテにならないものはないし、想い出は色あせる。

愛しの彼や彼女が無事に現役を終えたとき、私が振り返る想い出の
縁(よすが)になればいいと、僭越ながら、不遜ながら、思っております。








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