山頭火
(さんとうか) 1982/12/03~1940/10/11 山口県防府市 姓名は種田正一
明治37年早稲田大学中退、大正2年荻原井泉水に師事、「層雲」に初出句。
明治14年に出家し、九州、四国、中国などを托鉢、その行乞放浪の生活を
淡々と句に顕した。
昭和15年5月、一代句集「草木塔」刊行、同年10月11日死去。
連休前夜から「種田山頭火」に没するなり。
ぬくたい生活をすればするほど山頭火...。
粗末をとおりこしたぼろぼろの僧衣を身にまとい行乞と喜捨と借金で
生活の糧を得、安住の地をもたず放浪漂泊の旅に生きる。
自ら修羅を求めるがごとく貧窮のなか、安心(アンジン)を模索し心の平安を
「句」に求めた山頭火。
山頭火の足元にも及ばないが、同じ句をやるものとして、同じく道元禅の信奉者として
山頭火は避けて通れない危険なハードルでもある。
何年も前に買った「山頭火全集」はろくに読まず本棚の飾り物になっていた。
昨日の夜に思い立って続きを読み始めてから、全十巻のうちまだ4巻しか読めていない、
たった今も、山頭火はひとときも頭を離れず居座っている。
一恂老が師匠の空覚聖尼からしみじみ教へてもらつたといふ懺悔、感謝、精進の生活道
は平凡ではあるがそれは慥に人の本道である--と思ふ。この三道は所詮一つだ。
懺悔があれば必ずそこに感謝があり、精進があれば必ずそこに感謝があるべき筈である。
感謝は懺悔と精進との娘である。私はこの娘を大切に心の中に育んでゆかねばならぬ。
芸術は誠であり信であるものの最高峰である、感謝の心から生まれた芸術であり句でなけ
れば本当に人を動かすことは出来ないであろう。 (山頭火「松山日記」より抜粋)
文は人なり、句は魂なり、魂を磨かないで、どうして句が光らう、
句のかゞやき、それは魂のかゞやき、人の光である。
そう言いきる山頭火は「あるときは王者のこころ、あるときは乞食のこころ、生きがたくを生く」
を実践していた。乞食坊主と蔑まれながらも、山頭火の句を愛する善意ある人々の施しを受け
その「句」を生きぬいた。凡人には遠く理解を超えたところで「句」をまっとうした山頭火に
激しく魅せられる。ここが「素人歌人」には危険といわれる山頭火の真骨頂かもしれない。
数年前に書いた一文だが、手直ししようにも今現在とまったく同じ感想です。
自分のあまりの成長の遅々たることに落胆しながら、今の心境を一句。
地雷野を 口笛ふきて ひとりゆく
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