「AMGメルセデスCL」で参戦したベンツは"1995年の悪夢"を再びを連想させるように
予選・フリー・決勝と3度も車が宙に舞い、この年をかぎりにル・マンを完全撤退した。
トヨタは総合2位だったが、以降はF-1にシフトしたため1999年のル・マンが最後の
メモリアルレースになった。
1999年の日記を読み返していたらル・マンの克明なレース観戦記(TV)を見つけた。
メモリアルとして読むとかなり興味深く面白かったのでUPしてみました。
読んでて失笑するほど熱い。
1999/06/12 「REVENGE・ル・マン24H」
ル・マンはトヨタと日産のジャパンポールボジション奪取の熾烈な戦いに
なるのか興味を持って見ることにする。
身内が日産自動車に勤めているといって応援するのは日産とは限らない。
冷静沈着にハンドルを握り、根性の入ったコーナリングを見せてくれたクルマにする。
ルノーの傘下にくだった日産塙社長のウン試しと思えばまた違う興味も湧いてくる。
ドライバー&マシンにメカニック&スタッフが一丸となれば、金満トヨタを番手に従え
ゴールインするかも知れない。こりゃ楽しみだ。
去年のトヨタ、あの時間切れの悔しさを思えば...。(徹夜したんだよ)
優勝確実の争いをしながらミッショントラブルに泣いてポルシェに屈した。
ゴール目前の魔の1時間、トヨタTS020・GTプロト、今年こそはいけっ。
ひそかにドリキン土屋に期待。 ああ、ノコギリ山!
PPトライアルの段階から入れ込んでどうするとか思うけど国際G1だからね。
「BMW」、「AMG MERCEDES」、「PORSCHE AG」などのワークスを
蹴散らせ。ア・ウエイだけど島国根性をださなきゃいいとこいくかもしれん。
砂煙りをあげながら4輪ドリフトで直角にコーナーへ突っ込んでいく
ダートラがいちばん好きだけど、ファンの関心は薄いみたいだ。
昨日の夜中、世界ラリー選手権のクラッシュ特集を見た。
おもしろかった。
不謹慎なんだけどね、クルマがコケる度に笑いをかみころして、
5分も見てるとお腹を抱えて笑ってしまう。
いや~~、芸術的なクラッシュだ。ラリーはそうでなくちゃいかん。
ぐちゃぐちゃの泥田を走り泥っぱねを全身に浴びたあの興奮がよみがえった。
1999/06/13 「REVENGE・ル・マン24H中間報告」 PM5時
1、BMW
2、BME
3、TOYOTA(土屋圭市43歳、片山右京38歳、鈴木利男42歳)
4、アウディ
5、BMW
AMG MERCEDESワークスの1台が空中キリモミ大回転の猛烈クラッシュをした。
(このクラッシュによりAMG MERCEDESは去年に引き続きレースを断念)
原型を留めないほど破壊されたマシンから救出されたドライバーは即病院に運ばれる。
ひとまず無事だった。よかった。馬と違ってマシンはいくらクラッシュしてもいい。
モノコックボデーや最新レーシングスーツのおかげで、かなり派手にクラッシュしても
人間の命は限界まで守られている。(落馬のほうがよほどキケン)
予選に好タイムを叩きだし予選1位2位と好発進したTOYOTAワークスの3台の内、
残っているのは土屋圭市率いる日本人ドライバーが乗る1台だけになってしまった。
ル・マン24Hのような自動車耐久レースはヒューマントラブルが最大の敵になる。
ゴールまで馬なり安定したペースで走り、タイムを詰め、前の車を1台づつ抜いていく。
攻めすぎるとクラッシュやスピンの落とし穴、無理をするとマシントラブルが襲う。
守りに入れば後続車に抜かれタイムを落とし、1マシン3ドライバーのチームワークが
乱れる元になる。あー、まさに筋書きのないドラマ。
トヨタの最後の砦の№3号車は3位追走、日産は№21車が7位に残った。
ル・マン24Hの夜の走行は「ル・マンの魔物が棲む」と云われている。
優勝候補のワークスとて例外はなく、今年も優勝候補の何台かが夜の闇に消えた。
トヨタの優勝候補の№1号車もル・マンの夜にクラッシュして消えた。
だがもう恐怖の夜は明けた。これからは暑さとの闘いだ。
コクピットの蒸し風呂の中で自分自身との闘いになる。
頑張れ土屋圭市・・・峠族の憧れのマトだったドリキン土屋、6回目のル・マンだ!
あと何時間かで結果が出る。なんとしても祝杯をあげたい。
去年のあの悔しさを10倍の喜びにして返してくれ。
あとはもう祈るのみ。
1999/06/14 「REVENGE・ル・マン24H/2着」
熾烈なトップ争いをしていたBMW2台の内1台はポルシェコーナーでコースオフのリタイヤ。
よし、これでイケると思ったのもつかの間、ゴール20分前でTOYOTA片山右京マシン痛恨の
タイヤバースト。高速300キロオーバーでバーストしながらスピンもクラッシュもしなかった
彼の運の良さを祝ったらいいのか、タイムロスを嘆いたら良いのか。
優勝候補のBMWを追ってギリギリの攻防をしてるとき周回遅れのプライベート参加の
BMWに進路を阻まれたTOYOTAマシン。
あのAMG MERCEDESのマシンがクラッシュしたコーナー入口でのことだった。
低速でピットに戻ったTOYOTAマシンがタイヤ交換と点検を終えてコースに戻る。
1着のBMWとはもう2週のラップ遅れになっていた。もう優勝は無理だろう。
あとは無事に完走して2着でもいいから、3人で表彰台に乗ってほしい。
3着のアウディまで3ラップの余裕がある、4分タイムでも2着はキープできるはず。
鈴木利男を筆頭に土屋圭市・片山右京も自己タイムを上回る鬼気迫る周回ラップを
刻みながら一歩一歩ゴールに近づいた。なかでも、鈴木利男が周回ベストタイム
「3:35:032」を叩き出し1999年ル・マン24Hの周回レコード記録を樹立した。
マシン性能を100%信じ生かしきる限界までのドライビィングにシビれた。酔った。
ゴール10分前
BMWは最後のピットインでタイヤ交換と給油を終えた。
これでBMWがコースに戻るときは優勝のチェッカーフラッグに向け無理をしない
安全策の流し走行になる。
仕方ないさ、
最初のチェッカーフラックは優勝するたった1台のために振られるのだから。
TOYOTAの2着は悔しくて悔しくてたまらない。
REVENGEはまた来年に持ち越された。
日産が8位完走に健闘したのは予想外で素直に嬉しい。
ゴール地点
BMWが優勝チェッカーを受けた。
2着のTOYOTA片山右京マシンがフォードシケインを立ちあがり、
スタンド前ストレートにその勇姿を現した。
ピットクルー全員がTOYOTAの旗を振りながら笑顔で片山右京の
マシンを出迎えている。
ついに、BMWに次ぎ2着でチェッカーフラッグを受けた。
もうすぐ観衆が表彰台になだれこんで来るだろう。
土屋圭市・片山右京・鈴木利男・・・みなさんおめでとう。
今年も感動ありがとう。よくやったJAPAN!!!
昨日のル・マン24HのMERCEDESの3回転クラッシュは想像を絶するほどひどかった。
テレビで見る気楽さに、つい軽はずみなことを書いたと反省。
MERCEDESが即座にレース撤退を決めたのはワークスマシンに致命的な欠陥があった模様。
クラッシュの多さはまるで我が身のようだ。
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