睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

シルバーウイークの5連休は自己満足のために

2009-09-25 00:04:48 | アート(画・書・創作)
ここ連日桜島の火映がきれいだ。
あれを見てると仕事もメダカも忘れてぼーっとしてしまう。
家人からは「それはいいことだ、毎晩見てなさいよ」と云われるしまつ。
仕事でもなんでも夢中になると時間の観念が失せ、ひたすら没頭するので
「そんなに逝き急ぐようなのはよくない」としかられるのはしょっちゅうだから
ぜ~んぜん気にしない。こりないヤツってそんなもんでしょ(笑)。

中高年の山岳遭難が増えている。
昨日のテレビでは登山歴30年70歳過ぎのご婦人が単独登山で沢に滑落し
ヘリで救助されているところを見た。
単独かぁ、すごいなと思いつつ、自分も人事じゃないと思い直した。

ご婦人は顔のスリ傷や包帯だらけのカラダでベッドに横たわりながら
「これで当分山にいけなくなるわ...。」と嘆いていた。
山への欲求耐えがたし、その気持ちはよく分かる。
私も両ひざに故障がなければ丹沢バカ尾根2往復ぐらいしたい気分だよ。

山に囲まれた実家に出かけ、メダカの世話をしながら山の本を読む。
本に飽きてメダカの写真を撮り、庭の草むしりをしては砂利をまいて足でならす。
いつも泥んこだった庭が小砂利(20Kg×15体)をまいたおかげで見違えるように
きれいになって満足した。その代わり腰にもきた。

実家の2階に1部屋分の書庫がある。
以前は盆栽棚の下の物置に大量の本をおいていたのだが、5年前の冬のある日
本の重みで床が抜けた。しばらくぶりに実家に行き、本を探しに物置を覗いて驚いた。
あーっ、本が泥んこになっている。

画集や書道の専門資料、大事な本はダメだった。
読める本だけ拾い集め2階の狭い部屋に押し込めてみたものの、築30年のボロ家、
今度は2階が抜けたらどうしよう。ならば鉄筋コンクリートのマンションへ。
この狭い3LDK(80㎡)に本とツレアイとネコと、ひたいを寄せ合うように暮らしているが、
好きなモノに囲まれている満足感。

シルバーウイーク5連休に読み返した本15冊、古い山の本ばかり。

この山にあふれる誓い  富山県警察本部 二見書房 1965
あるガイドの手記  佐伯 富男 あかね書房 1966
山あればこそ(遭難の前と後)  長野県警察本部 二見書房 1966
谷川岳(生と死の条件)  瓜生 卓造 中央公論社 1969
アルプスに賭けて(パトロール隊日誌)  長野県警察山岳遭難救助隊 二見書房 1972
山の遺書(山を愛し山に逝ける若者の言葉)  安川 茂雄 二見書房 1975
山の鎮魂歌(無垢の愛と魂)  安川 茂雄 二見書房 1976
青春の墓標・谷川岳  橋川 卓也 講談社 1977
私の山 谷川岳  杉本 光作 中央公論社 1983
山の受難者物語  春日俊吉 山と渓谷社 1984
山に逝ける人々(前編) 春日俊吉 山と渓谷社 1984
山に逝ける人々(後編) 春日俊吉 山と渓谷社 1984
ピッケルを持ったお巡りさん  富山県警察山岳警備隊 山と渓谷社 1985
山靴を履いたお巡りさん  岐阜県警察山岳警備隊 山と渓谷社 1992
ザイルをかついだお巡りさん  長野県警察山岳遭難救助隊 山と渓谷社 1995

雪煙を上げる剱岳、白ハゲ、小窓尾根、三の窓、大日岳、番場島やブナクラの取水口、
トマの耳からオキの耳、谷川岳遭難碑に刻まれている友の名前を指でなぞった日・・・etc.
あれこれ思いだすたびにカラダが熱くほてるのだ。もう行けない事はわかっているから尚更に。
本格的に山をやる前はこんなドジもした。

もう履くことはない(だろう)登山靴をミンクオイルでぴかぴかに磨いた。
オーバーシューズもアイゼンもピッケルも今すぐ使える状態にある。
自己満足で連休が終わった。
ほんとに満足だ。


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