散文：潮風に吹かれて Hinode Passenger Terminal

昨夜は眠れなかった
胸がざわついて
神経が高ぶっていた。

夜を数えるのは長すぎる
月は布団をかぶってる

ちょっと出てくる。

二疋のまっくろけの猫は
はよ朔ちゃんちにかえんな
今夜はみかづきじゃないからさ
おぎやあとないてもしらないよ。

千衣子さんの発作のときは
目がみどり色にすわってた
こわいこだった
いとおしかった。

ブラックを何杯ものむ
腹がたぷたぷになった
キレがわるい。

天使のはしごがよるでたら
悪魔のはしごになるのかな
しょうもない。

工事現場の灯が消えて
紙芝居のような
ひとかげはなく
闇にまぎれて
しーんとしている

明日の今日は
希望のランプを見に行こう
こころになにかが
灯るかもしれない。

夜のつづきの朝になって
あいもかわらず坐る
寒いからなかにしよ
そうだ
ここには畳がない
いずれにしても
いすが運命だったのだ。