水産北海道ブログ

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2015年『水産北海道』4月号 気になる漁業就業の動向

2015-04-16 14:35:13 | 月刊水産北海道

 今月の表紙は、浜で元気な人、漁協の総会、オホーツクの海明け風景などです。内容的には、担い手の減少・高齢化が進む中で、漁業就業の動向と対策をとりあげ、外国人技能実習生の導入が沿岸漁業でも要望が強いことなどにも触れています。従来は水産加工、遠洋、沖合の漁船漁業に限られていた外国人技能実習生の受け入れは、沿岸に広がる動きをみせ、ここにも担い手不足の深刻は実情が出ています。
 沿岸漁協では12月末決算の組合が3月続々と総会を開き、販売実績と事業計画が明らかになっています。ホタテなど輸出関連魚種の産地は総じて成績が良く、輸出による魚価上昇がはっきり現れています。その分、国内市場は縮小しつつあるとされ、北海道漁業の方向性も難しい局面にあります。
 この時期は人事異動の次期でもあり、漁協や団体、役所、試験研究機関の入れ替わりも載せました。道知事選など地方統一選挙の前半戦があったため、道庁の幹部人事は選挙後にずれ、6月1日発令となりそうです。
 すでに道知事には高橋知事が再選され、大胆で斬新な道政を示すとしたら、人事刷新が一番わかりやすいメッセージとなります。4期目の高橋道政がどうなるのか注目されます。
 本の紹介では、濱田武士東京海洋大准教授と佐野雅昭鹿児島大教授の新刊をとりあげた。濱田氏の本は共著で東電福島原発事故以降の農林漁業再生を考える内容で、少し手強い。逆に佐野氏の本は新書ということもあるが、身近な所から日本の漁業の問題にアプローチしている。どちらも結構モラルに訴える面があり、魚はなかなか粗末に扱えない存在となりつつあるようだ。