水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

本道の秋サケ漁スタート 日本海は前年に続き好調

2021-09-05 11:55:03 | ニュース

石狩湾漁協石狩本所の水揚げ風景(初日3000尾、9㌧を超えた)

 9月1日から本道の秋サケ漁がスタートした。先陣を切ったのは、えりも以東の大樹漁協で3.6㌧を初水揚げした。前年の半分程度だったが、魚体は大きめで、メスが㎏1000円を上回る価格となった。えりも以東は親魚確保のため、解禁を2日遅らせて定置網が始まった。

 前年を上回る来遊が予想される日本海は、中部の石狩湾漁協が9月2日から操業を始め、初日に23.6㌧が水揚げされ、前年の4倍となる好調な滑り出しとなった。


網走管内サケ・マス漁獲状況(8月31日現在) マス約37万尾、2億6千万円と前年の1割台

2021-09-05 11:54:14 | ニュース

 網走管内(雄武〜ウトロ漁協)のサケ・マス漁獲状況は、8月末までにマスが37万尾と前年同期の1割にとどまり、前々年に比べても半分程度と低迷している。極端な不漁を反映し平均単価(㎏)は500円を上回っている。平均目回りは1.3㎏台と豊漁だった前年並みの小型化がめだつ。

 網走海区漁業調整委員会によると、8月31日現在の管内カラフトマス漁獲状況は、36万8,691尾、498㌧、2億6,477万円で、前年に比べ尾数・重量は12%、金額は16%。近年では不漁だった前々年に比べて尾数56%、重量45%、金額65%といずれも下回っている。平均目回りは1.35㎏と前年(1.34㎏)並みで、前々年(1.68㎏)より小さい。ただし、㎏当たり単価は原料不足を反映し、532円と前年(395円)、前々年(368円)を大幅に上回っている。


進むサーモン陸上養殖のこれからを探る講演 佐野鹿児島大教授が持続的な日本養殖業を提言

2021-09-05 11:43:52 | ニュース

     佐野教授

 水産・食料研究会(会長・廣吉勝治北大名誉教授)は8月26日、オンラインで第145回講演会を開き、60人余りが参加して鹿児島大学の佐野雅昭教授の講演を聞き質疑を交わした。

 佐野教授は「進むサーモン陸上養殖のこれからを探る」をテーマにサーモン市場の国際的拡大と日本市場の動向、立地を選ばない陸上養殖の可能性、総合性に優れた海面養殖の見直し、持続的な日本養殖業の展望を提言した。

 それによると、魚類養殖の大衆化と大規模化の構造的問題を取り上げ、それを前提に世界および日本のサーモン養殖、市場動向を紹介した。2021年には海面養殖だけでも320万㌧(天然60万㌧)に達し、生産地が陸上を含め世界中に拡大している。海面養殖はノルウェーが45%、チリが25%を供給し、アトランティックサーモンが9割を占める。今後のサーモン需要を考えると400万㌧でも足りない状況で、閉鎖循環式陸上養殖や巨大な沖合養殖施設が世界中で計画されている。


2022年度水産予算概算要求 漁業収入安定、水産基盤整備など2,602億円 不漁問題等に対応した持続的な水産業の推進

2021-09-05 11:41:36 | ニュース

 各省庁から提出される2022年度予算概算要求が8月末で締め切られ、総体では111兆円を超える4年連続過去最高規模となった。農林水産省は2兆6,842億円と前年度予算に比べ16.4%増。このうち公共事業は8,229億円で17.6.%増となっている。

 水産庁予算は「不漁問題等に対応した持続的な水産業の推進」をめざすもので、総額で2,602億円。前年度の概算要求は1,928億円だった。

 予算の重点は「1新たな資源管理システムと漁業経営安定対策の着実な実施」として「資源調査・評価の拡充」に98億円(前年度85億円)、「スマート水産業による漁獲情報の収集強化」に26億円(同6億円)、「TAC・IQ等の数量管理の導入と漁業者の自主的管理の推進」に10億円(同8億円)、「漁業経営安定対策の着実な実施」に618億円(同320億円)を計上している。うち漁業収入安定対策には450億円(同200億円)を要求する。

 「2不漁の長期化や環境変化の中での成長産業化に向けた重点的な支援」では、「漁村を支える人材の育成・確保」に16億円(同7億円)、「沿岸漁業の競争力強化」で浜の活力再生・成長促進交付金に45億円(同27億円)、水産業成長産業化沿岸地域創出事業に50億円(同4億円)。「沖合・遠洋漁業の競争力強化」で漁業構造改革総合対策事業に100億円(同19億円)を要求する。「養殖業の成長産業化」では、養殖業成長産業化推進事業に5億円(同3億円)のほか、大規模沖合養殖システムの実証なども支援する(漁業構造改革総合対策事業100億円の内数)。「内水面およびさけ・ます等資源対策」に15億円(同14億円)を計上し内水面振興、サケの回帰率向上を図る。「漁協の経営・事業改善の取組推進」に6億円(同億円)を要求する。

 次に「3 競争力のある加工・流通構造の確立と水産物の需要喚起」として「水産業バリューチェーンの生産性向上」に13億円(同6億円)。

 「4 水産基盤の整備、漁港機能の再編・集約化と強靱化の推進」として「水産基盤整備事業」(公共)に860億円(同726億円)、「漁港の機能増進・漁村の交流促進」の漁港機能増進事業に15億円(同8億円)、浜の活力再生・成長促進交付金(45億円の内数)を要求。

「5 外国漁船対策、多面的機能の発揮、捕鯨対策」では、「外国漁船対策等」181億円(同180億円)、「水産多面的機能の発揮等」に55億円(同43億円)、「捕鯨対策」に所要額51億円(同51億円)を計上した。

 なお、東日本大震災からの復興予算に関しては、復興庁が福島第一原発のALPS処理水の海洋放水風評被害に対応する「水産業復興販売加速化支援事業」41億円を新規に要求し、風評被害対策に必要な経費は予算編成過程で検討する。


2021年8月31日(火)発行/北海道漁協系統通信第6580号

2021-09-05 11:39:16 | 系統通信

網走管内カラフトマス漁獲状況(8月20日現在)
19万尾と前年の10%、前々年の41%と不漁

サンマ棒受け網漁が本格シーズンへ
小型船に続いて大型船も初水揚げ、前年上回るも低水準

道内のイカ漁獲状況(8月下旬)
道東・花咲にまとまった漁、日本海では桧山が健闘

令和4年度道開発予算概算要求
水産基盤整備に前年度比18%増の280億円

農林水産省が令和2年度食料自給率を発表
魚介類は55%で前年度より2ポイント増

トド等海獣類の漁業被害状況(令和2年度)
被害総額7億3,410万円 前年比38%減の大幅減少

道外国貿易概況 令和3年7月分
水産物輸出66億円と前年比2倍、中国向けホタテ増加

室蘭漁協がオンラインショップ開設
第1弾として活毛ガニを数量限定で提供

10月9日北日本漁業経済学会第50回大会シンポジウム
新水産政策下におけるTAC制度の課題 ~北海道漁業を事例に~」

ロシア太平洋サケマス漁獲量47万㌧ 勧告量上回る

ロシアサケマス最終漁獲量59万㌧超えの可能性を報告