水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

ロシア太平洋サケ・マス漁獲速報(10月5日現在) 60万㌧突破、前年を126%上回り、カラフトマス約48万㌧

2023-10-11 06:45:37 | ニュース
 ロシアの太平洋サケ・マス漁獲は10月5日で60万㌧に達し、前年を126%上回る大幅な増加となった。道機船連によると、10月5日現在の生産量は60万950㌧となり、当初漁獲勧告量の117.4%に達した。この生産量は昨年2022年を126%、直近期数年の2021年を13%上回っている。
 このうちカラフトマスが47万8️,275㌧と全体の80%を占め、シロザケが7万1,568㌧、ベニザケが3万7️,232㌧、ギンザケが1万3,361㌧となっている。地域別ではカムチャツカ地方が49万797㌧(カラフトマス42万㌧)が最も多く、次いでサハリン州が6万4,342㌧(カラフトマス3万4,347㌧)となっている。
 なお、シロザケのロシア・北海道の漁獲シェアは、ロシア極東が7万1,579㌧で70.6%を占め、うちサハリン州が2万7,828㌧で27.5%。一方、北海道が2万9,773㌧で29.4%を占め、隣接するサハリン州を逆転している。

秋サケ沿岸漁獲速報(9月30日現在) 772万尾・64%、159億円・48%といぜん前年下回る

2023-10-11 06:42:13 | ニュース
今シーズン厳しい操業が続く日本海

 本道沿岸に来遊する秋サケの漁獲は、772万尾・159億円と数量で前年比6割強、金額で5割弱にとどまっている。沿岸域の水温もやや下がり、10日間で487万尾を漁獲したが、昨年の爆発的な漁獲(763万尾)には及ばない。価格は低下を続けており、漁獲金額は前年の5割を切った。
 道連合海区漁業調整委員会のまとめによると、9月30日現在の秋サケ沿岸漁獲速報は、772万989尾で前年比63.6%。前年より約441万尾少ない。金額は158億9,585万円で同48.2%と約171億円少ない。1尾当たり単価も2,059円と2割を上回る安値。道漁連の日報では、9月30日現在で2万㌧と前年の64%。10月5日までに7千㌧を上乗せするペースで推移し、10月の挽回が期待できそうだ。
 系統群別でみると、前年を上回っているのは、えりも以東の70万3,046尾・105.9%のみで、他は前年を下回っており、えりも以西(22.2%)、日本海(32.4%)の落ち込みがめだつ。地区別ではえりも以東東部が31万264尾で125.1%と前年を上回っている。そのほか、えりも以東西部が39万2,782尾と94.4%、根室南部が15万2,300尾で93.2%、オホーツク東部が198万729尾で91.8%と9割台。根室の北部も50万5,867尾で81%となっているが、他地区は5〜6割程度にとどまり、1〜2割程度の地区も多く、不漁が続いている。

8月の農林水産物・食品の輸出(農林水産省) 水産物288億円・8.2%減、中国向け36億円・65.7%減

2023-10-11 06:41:34 | ニュース
 農林水産省輸出・国際局は、8月末の農林水産物・食品の輸出額をまとめ、8月で1,034億円と前年同期比7.9%減少した。水産物は288億円で8.2%減。品目では中国向けの輸出が停止しているホタテが31億円減、国別ではホタテ、ナマコなど中国向けが36億円と99億円減少した。
 8月の中国向け輸出額は175億円で、前年同期に比べ99億円、36.3%減少した。このうち、水産物は36億円と、同じく69億円・65.7%減。加工品や調整品、真珠などを除く魚介類は22億円と68億円・75.7%の大幅減となった。ホタテは16億円と40億円・71.3%減少し、生鮮・冷蔵・冷凍が12億円と42億円・77.9%減少する一方で、調整品は4億円と2億円・114.5%増加した。
 また、香港向けは176億円で、8億円・4.6%増。うち水産物は69億円と9億円・15.5%増、魚介類は14億円と5億円・25.9%減。ホタテが9億円と3億円・54%増、生鮮・冷蔵・冷凍が4億円と0.3億円・9.6%増加し、調整品も5億円と3億円・116%増加した。
 1月からの累計では9,355億円で6.1%増となり、水産物は2,682億円で8.9%増。タイ、ベトナム向けのカツオ・マグロ類、米国向けホタテが増加した。

ALPS処理水海洋放出の庁内連絡会議 一部漁協で水揚げ制限、冷凍庫が秋サケで10月中に満杯 中国向けが国内に流れ込むことによる価格下落を懸念

2023-10-11 06:40:53 | ニュース
 道のALPS処理水の海洋放出に関する9回目の庁内連絡会議が6日、書面で開かれ、9月29日現在の関連産業状況調査結果が報告され、宿泊業者や全国の百貨店と連携した道産水産物の需要喚起などの資料が提出された。
 9月25日〜29日までに産業団体などから聞き取りした結果では、中国に向けた輸出停止による影響は「一部漁協で水揚げ制限を実施」しているほか、「冷凍倉庫の使用状況が100%に近いところが多く、秋サケ漁の本格化に伴い10 月中に満杯になるところも発生」している。また「韓国、香港、台湾への輸出も減少傾向」にあるという指摘が出ている。水産加工業者からは「中国向けの製品をヨーロッパ方面に切り替えることは、HACCPの関係で手が出しにくい」という声も。
 今後懸念することでは「中国向けの品物が国内向けに流れ込むことによる価格の下落」している。
 海外(中国)の状況(北海道上海事務所からの情報)では「国慶節(中国の建国記念日10月1日)ギフト用としての道産米の注文控えやキャンセルが多い」、日本食品扱業者は「9 月の売上が前年同月の20%程度まで下落」し、上海市内のスーパーで「日本産冷凍水産品コーナーの一部商品が、中国産品へ置き換えられている」との動きもあった。