水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

水政審資源管理分科会 スケソウ4系群TAC、サケ・マスふ化放流計画を答申 イカの当初配分2万9,200㌧に抑制、不満の意見も

2024-02-11 21:54:39 | ニュース

 水産政策審議会第129回資源管理分科会は、8日午後2時から農林水産省(ウェブ併用)で開かれ、令和6管理年度のスケソウTACの当初配分、水産研究・教育機構が行うサケ・マス人工ふ化放流計画などを原案通り承認し答申した。
 スケソウTACは、太平洋、日本海北部、オホーツク海南部、根室海峡の4系群について水産研究・教育機構から資源評価の説明を受け、水産庁が設定・配分案を示した。太平洋は17万6千㌧(前年17万㌧)と設定し、新たに国の留保5千㌧を配分する。日本海北部系群は加入量の良さを反映し、2万2️,900㌧(前年1万5,300㌧)を配分し、令和5管理年度の実績が確定後、未利用分を追加配分する。オホーツク海南部と根室海峡はロシアとのまたがり資源として前年を同量の5万8千㌧、1万5千㌧と設定。
 これに対し、伊藤保夫委員(道機船連理事)は「日本海北部系群は獲り控えで資源が増えたが、当面の目標だった限界管理基準値は超えることが確実で、新たに目標管理基準値をめざすが、親魚量38万㌧という数字は見直してもらいたい」と要請した。
 スルメイカも同様に水産研究・教育機構から資源評価の説明を受け、水産庁が設定・配分案を示した。3年固定TACの最終管理年度として前年同量の7万9,200㌧を設定するが、当初配分は2万9,200㌧に抑え、5万200㌧を国が留保し、条件につけて追加配分する。ただし、定置網(北海道)には2,400㌧を配分するが、漁獲が急激に積み上がった場合には「75%ルール」に基づき、水政審には事後報告で追加配分する。
 これに対しては、加工業界から「TACの消化率を高めないと加工業者は原料不足で廃業に追い込まれる」、沖底、中型イカなどの業界関係者から「当初配分が窮屈すぎる」「他の業種に比べ不公平感がある」「追加配分の上限から3年間の漁獲平均を外してほしい」といった意見が上がった。一方、小型イカ業界からは「周辺国にも同じ規制を求め、留保には違和感もあるが、全体として受け入れる。被災した石川県には来年のTACを優遇してほしい」との声が聞かれた。
 水産資源保護法に基づくサケ・マス人工ふ化放流計画は、水産研究・教育機構が個体群の維持のために実施するもので、前年同量の1億3,340万尾の放流が答申された。
 この他、太平洋クロマグロの令和5管理年度のTAC変更を原案通り答申し、融通結果なども報告された。

2024年(令和6年)2月9日(金)発行/北海道漁協系統通信第6773号

2024-02-11 21:38:01 | 系統通信
第15次北海道定置漁業権免許 
石狩後志・日高・釧路十勝・根室の4海区を公示

「JF共済」2024年1月末実績(4月から累計)
チョコー285億円・伸長率111%、くらし227億円・101%

道水産土木協会が令和5年度土木技術研修会
話題のブルーカーボンをテーマに識者・研究者が情報提供
海藻養殖の進展で水産土木企業の役割は増大

2024年第2回日本海沿岸ニシン漁獲状況速報(1.31)
石狩湾本所で230㌧・小樽市で120㌧ シーズン本格化

えりも以西海域マツカワ漁獲速報(R5.12)
12月の漁獲量30㌧超える 単価上昇で金額も進捗

道日本海沿岸漁業振興会議専門委員会で要望事項を検討
新しい資源管理、洋上風力発電などの課題で意見交わす

7日~13日、どさんこプラザ札幌店でいぶりフェア


ホタテメニューで「ゲレめし」頂上決戦!
札幌市内6スキー場で「ホタテゲレンデ飯」グランプリ

沖合を中心としたスケソウの漁獲動向 年内の漁獲は低調、釧路、稚内、小樽で価格上昇

2024-02-06 15:25:36 | ニュース

 沖合を中心にしたスケソウの漁獲は低調に推移し、価格も数量減をカバーするほど上がっていない。漁業情報サービスセンターによると、道内主要港の2023年水揚げ(1〜12月)は、6万7千㌧で前年比74%だった。平均価格は、沖底中心の紋別、網走で㌔54円と前年並み。釧路は水揚げ数量が半減したものの、価格は15%アップの71円。稚内も価格が上昇、小樽は数量、価格ともに増加した。沿岸主要港の羅臼は、約7,300㌧・128円と数量が前年並みだったが、価格は15%アップした。
 今年1月の漁獲動向は、羅臼が1,400㌧・117円と数量で85%、価格は97%。沖底は釧路、稚内で55〜45円と低迷が続いている。

スケソウ沿岸漁獲状況(1月末現在) 道南太平洋1万6千㌧(26%増)、渡島が8千㌧

2024-02-06 15:15:16 | ニュース


 本道沿岸のスケソウ漁業は盛漁期を迎えているが、道水産林務部漁業管理課が集計した1月末の報告によると、道南太平洋(日高〜渡島)の刺し網による漁獲状況は11月〜1月までに約1万6千㌧と前年同期に比べ26%増となっている。
 管内別にみると、日高が2,427㌧で前年同期の292倍、胆振が5,335㌧で同57%、渡島が8,030㌧で同252%となっており、渡島が好調。月別では11月1,927㌧、12月8,600㌧、1月4,643㌧で、12月をピークに漁獲は減少しつつある。しかし、道総研函館水試の調査ではスケソウの魚探反応が前年同期を上回り、魚群反応の強い海域は胆振沖(白老〜苫小牧沖)とされ、2月から終盤の挽回が期待される。TAC4万6,400㌧に対する消化率は34%(前年45%)。
 一方、日本海は後志管内の刺し網のみの200㌧と前年同期の47%にとどまり、TAC5,894㌧に対する消化率は3%(前年14%)。
 そのほか、オホーツク海、道東太平洋、根室海峡を含めたスケソウ漁業、その他漁業を含めた全道合計は2万1,435㌧で前年同期の74%でTAC消化率は24%(前年33%)。

令和6年オホーツク毛がに漁業協議会全体会議 許容漁獲量 305㌧減の665㌧、宗谷530㌧・オホーツク135㌧

2024-02-06 15:01:53 | ニュース

 令和6年オホーツク海毛がに漁業協議会全体会議が2日午後4時から京王プラザホテル札幌で開かれ、令和5年業務報告・決算および令和6年事業計画・予算など全議案が原案どおり承認可決されたほか、道水産林務部が今期の同海域の許容漁獲量を宗谷総合振興局管内前年比320㌧減の530㌧、オホーツク総合振興局管内同15㌧増の135㌧の計665㌧とすることなどを報告した。
 会議開催にあたり沖野平昭会長が令和5年漁期の宗谷・オホーツク両管内の毛ガニかに篭漁の操業結果と、外国漁船によるものと思われる不法漁具問題について報告。「当協議会は行政指導のもと、資源管理型漁業の手本となるべく漁業者自らが、堅ガニの優先使用など資源保護の徹底を図っている。今後も会員皆で知恵を出し合い、秩序ある漁業を継続していく」と挨拶した。
 続いて道水産林務部の高橋研二漁業管理課長が「両管内とも後続資源の減少傾向が続いており、資源状況は非常に厳しい。不法漁具と不審船の問題は依然多発しており、取締船を配置のうえ、海上保安部や水産庁と連携して対応していくので情報提供をお願いする」と、資源の減少と外国漁船による不法行為への懸念を示した。
 議案審議に続き、道水産林務部漁業管理課が令和5年漁期の漁獲実績と令和6年漁期のオホーツク海域毛ガニかに篭漁の取扱について報告。オホーツク海海域の資源水準は網走管内で増加したが依然低水準にあるうえ、宗谷管内の資源量が大幅に減少し、資源状況が中水準から低水準へと移行したことなどを受け、資源配分、許容漁獲量設定方法、操業体制などに関する具体的な協議・検討を継続するとした。
 そのような環境から令和6年漁期の取扱は、総体の許容漁獲量を前年比3055㌧減の665㌧、配分量を宗谷管内同320㌧減の530㌧、オホーツク管内同15㌧増の135㌧に設定。今期の許可隻数は両管内とも前年同の各45隻となった。船別許容漁獲量制を採用し、漁船別の許容量は協議会の意見を尊重のうえ、各振興局が組合を通じて配分する。
 操業解禁は3月15日。終漁日はオホーツク管内が中部海域5日間、南部海域10日間それぞれ前倒しされ、両管内とも8月21日となった。若ガニ保護のために堅ガニのみの利用を徹底し、自主休漁期間は設定しない。なお役員改選は、4月開催の理事会の中で行われる。