保育所の待機児童の解消にどう応えるのか、国の新システムの議論とともに、地方においても大きな課題の一つです。特に待機児童のうち2歳児以下は8割。いまの保育制度では0歳児は子ども3人に対して保育士1人、1,2歳児では子ども6人に対して保育士1人という基準で、3歳児以上と比べると、より多くの保育士が配置されるようになっています。
10月の段階で、神戸市で”保育所に入所を希望しても入所ができない”児童は2600人あまり。4月の段階で市が公表している待機児童数は480人くらいですから、実態を全く反映していません。須磨区では、0歳児の空きはありません。入れません。
当然、整備を進めても待機児童は増えるばかりで追いつかないのは、現状では確かにそうでしょう。ですが、だからといって営利を目的とした民間企業も含めた”民間”に、その整備を任せようというのは納得がいかないです。
ある番組で、新システムが取り上げられていました。しかし、前提が新システムを”是”としているとも感じられるもので、保育現場から”新システムには問題ばかり、反対だ”と強まる声に対してまたく応えていません。
保育の質ということが言われていましたが、たとえば外出の際に、安全対策として目立つ色のヤッケを着て…とかそういうことが取り上げられていました。それは、いわば”業務の質”というべきもの。業務上の対策は当然のことなのですが、気になるのは、新システムが想定している仕組みで、子どもたちの”育ち”が保障できるのかということです。価値観の変化などとして、親の都合で子どもを預けるんだから金を出してサービスを買うのは当たり前だろうとか、そういったことが前提になっていること。必要な時間だけ、必要に応じて。介護保険のように金を出して”サービスを買う”。”保育ビジネス”と言う発想に立つと、すべてが顧客になってしまうんですかね。
とにかく、いまの保育の仕組みとは全く違ってしまうということ、とくに時間で区切った細切れ保育。まあ、預かり保育…子守りですか?この新システムの発想にはそういった安易な発想があるように思えて仕方がありません。保護者として求める”保育の質”は?もっと踏み込んで、新システムに切り込んでほしかったと思います。
袋小路に追い込んで逃げ道を塞ぎ、”助けてやるからカネを出せ”と言われてるようなもの。親の一人としてそんな思いにもかられてしまいます。それがビジネスチャンスなんですか?
保育制度には市場原理は持ち込むべきでないし、持ち込ませられない。いま、ほんとに大きなヤマ場となっています。新システムには、ど~も納得いきませんな。
さて、市会が告示。神戸市議会の、第4回定例議会は28日からです。これはまた、改めて。
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