やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

学校訪問~少人数学級の必要性を実感

2020-11-26 | 日記・エッセイ・コラム
 先日から、小中学校を訪問し、校長先生と懇談をさせていただいています。
少人数学級についてのご意見をお聞きするのが主な目的ですが、それだけでなくさまざまなご意見をちょうだいしています。
 以前にも書きましたが、須磨区は北部のニュータウンと南部の旧市街地と大きくまちが2つに分かれており、それぞれ別の顔を持っています。
ニュータウンでは人口減少が著しく、それに伴って学校の児童や生徒数も減っています。学校によっては、各学年1クラス、いわゆる単学級の学校も複数あり、またそれに近い学校もあって学校運営が厳しい状況のところもあります。
一方で旧市街地では人口がほぼ横ばい傾向にあります。特に南部の市街地の小学校が、小学校の児童数は少し増えている状況でもあります。
先日訪問した2つの小学校では、1000人近い児童数を抱えています。
そのうちひとつは、校区変更などの影響もあり、人数が減少。それでも学校のキャパを超えており、仮設校舎は1棟減ったものの、解消には至っていません。もうひとつの学校は、グラウンドがもともとそれほど広いわけではないので、仮設校舎が建てられないので、あと少し児童が増えると空き教室もない状況のなか、児童会室や多目的室を潰さなければならないと、学校運営に支障が出つつある状況でした。
どちらも、全校児童が休み時間にいっせいに遊ぶことができず、曜日を決めてグラウンドで遊べる学年を決めているとのこと。いっせいに、となるとケガが心配なのでできないそうです。
当然、雨になったらその日は遊べないので、こどもたちにとっては体が動かせず、ストレスになっているのでは?と心配です。
朝礼(朝会?)も、全校で開くことができません。今年度は一度も校長先生は全校児童の前で話していないとのこと。テレビを通じて全校に流しているとのことでした。
 さて、学級の様子ですが、先日見せていただいた中学校は、40人学級。体も大きく、教室一杯にぎっしり。机の横にリュックを引っ掻けているので、先生が通る隙間があるのかないのか…、ほんとに狭い状態でした。私が中学の時、1クラス確か38人か39人いたので、こんなぎゅうぎゅうだったんだな、とあらためて思いました。あれから40年ほど経ちましたが、県は違うけれど状況は同じでなにも変わっていないというのはやはり驚きです。
小学校の5年6年も同じ状態ですが、ほんとにこのままでいいのかと心配です。
思春期にもなり多感な時期。人によっては、多くの人のなかで馴染めない子も出てきます。よりきめ細かい対応がひとりひとりに必要になってくる時期に、多くのこどもたちを狭い空間に押し止めるのは問題だと言われていましたが、少人数になれば目が行き届くようになり必要なフォローができるようになると一様に期待はされています。
ただ、教室が狭い。GIGAスクールなどと言われていますが、ひとり1台のパソコンとなると収納するスペースが確保できないと苦慮されているようです。
また、少人数は理想だが、学校にキャパシティがなく対応できないとも。現状では35人学級を全学年で実施できれば、教員を1人多く配置できるので、まずはそこから手をつけるのが現実的では?という意見もありました。
現状では5年以上は40人になってしまうので、教員配置が1人少なくなるそうです。
 体育館のクーラー。スポットクーラーは、ほんとに、なんちゃって感いっぱいです。広い体育館4台のスポットクーラーを置くそうですが、吹き出し口の2メートルくらいしか効果がないとも。かえってドアを解放したほうが、空気の流れが出てマシという声も。
いろいろありましたが、工夫しながら苦労してやりくりされている実態がよくお聞きできました。
明日から11月議会。いったん学校訪問は中断しますが、また再開して、よく現場の声をお聞きしたいと思います。

国民の理解を得られる存在であるべきは…?

2020-11-23 | 日記・エッセイ・コラム

ぎょっと思わず目を引く記事。機密費のブラックボックスぶりは極めている。平均、年11億円というから驚きだ。
記事でも伝えられているが、学術会議を攻撃する前に、自らの襟を正すことが先ではないか。国民の税金である。
正常な感覚とは思えない。
 そんなことを考えていると、目に入ったのが、神戸新聞の記事。1面から2面にかけて掲載されている針路21というシリーズで、きょうは平田オリザさんでした。平田氏は日本学術会議の任命における人事介入問題についてこう触れている。「歴史上、強健を振りかざそうとるものは、過激派だけを分かりやすく弾圧するのではない。中間層、どちらかといえば穏健な人々をランダムに検挙していく。そうやって、人々の猜疑心をもたせることが、社会を抑圧するための費用対効果がもっとも高くなるからだ」と。
その上で、学術や芸術の役割のひとつが「軍事や経済ばかりを優先して経済ばかりを優先して社会が加熱しすぎたときに”ちょっと待てよ”と後ろから方を叩くような役割、だとしている。表現者としてのことば、ひじょうに分かりやすい。
 機密費を使って強権を振りかざし、異論は強権で排除する、そういう構図が私には感じられてしかたがない。
暴走する前に、国民の審判を。


小規模校と少人数学級

2020-11-19 | 日記・エッセイ・コラム
 少人数学級や学校施設など学校現場のお話をお聞きしようと、小中学校を訪問させていただいています。
(写真と記事は関係ありません)
 以前に、中学校のほとんどが大人数クラスになっているということを書きましたが、先日訪問させていただいた中学校、実際に授業のようすを見せていただくと、ほんとに過密でした。
互いの距離なんてとんでもないという状況。少人数学級を急がなくては、と思うしだいでした。
 さて最近訪問させていただいたのは、全校で10クラスほどの小規模校。
去年より2クラス減、来年は35人学級からはずれるので高学年で1クラス減の予定とのととでした。
小規模校で児童数が減少している学校は、自ずと少人数学級に近くなっていますが、児童数がボーダーになると場合によっては単学級になってしまいかえって教室は過密になることも。
 いろいろお聞きしましたが、少人数学級の効果は相当なものだということがお話の中からうかがえました。
コロナ明けのとき、一時的に分散登校になりました。そのとき、当時不登校の児童が数人いたそうですが、分散登校になったら、不登校だった児童が全員とうこうしてきたとのこと。いまも普通に登校してきているそうです。
別の学校でもお聞きしましたが、教員の間では少人数の効果はひじょうにあったとの声が多く、少人数を望む声は大きいと感じました。
 一方で、小規模校の特有の問題も。なにしろ教員の数が少ないこと。単学級だと教員間の協力体制がとりにくく、学年の問題をひとりでカバーしなければならないので負担が大きくなります。全体の教員も少ないので、教員ひとりあたりの負担も大きいということでした。
毎日いろいろこなしたうえで、ようやく自分の仕事に取りかかれるのが6時くらいからだとのこと。働き方改革というが、仕事の量は減らないのに、これでは逆行している状況です。
また教科担任制の話も出ているそうですが、1学年1クラスという状況では、人を新たに配置してもらわないと、教科担任制は無理だと。そりゃそうですね。人数増えななければ意味無いですから。増えなければ現状となにも変わらず、どうすんの?ということになってしまいます。
小規模校の問題は、少人数学級とは別の問題もありました。すこしこだわって、ニュータウン問題とからめて考えても見たいとおもいます。
少人数学級についてもいろいろお聞きしていますが、また別の機会に書きたいとおもいます。

アスベスト見落とし、調査徹底を

2020-11-17 | 日記・エッセイ・コラム


 先日福祉環境委員会で取り上げた、神戸市営下山手住宅の解体にあたってのアスベスト見逃し問題。
解体延期になったと、昨日新聞で伝えられていました。
先週、当該局に資料要求をした際、お聞きしたところ、委員会では午前中に質問したのですが、その午後すぐに環境局から呼び出されたとのこと。その翌日、合同で現地に入ったとお聞きしました。
答弁では調整中、とのことでしたがえらい早い対応でした。
技術的に専門に携わってこられた担当者としては悔しい思いもあろうかと思います。詳しすぎてつい見落としてしまう、というのは普通では一般的にありうることだと思います。とはいえ、アスベスト。見逃したまま解体してたら間違いなく飛散。医療関係者の方々の問題意識には恐れ入る限りです。
 このアスベスト調査。やり直すそうです。これまで、元請け業者が依頼した専門業者が調査していたのですが、その調査と同じか所をもう一度やり直すそうです。こんど依頼するのは県の外郭団体。
2つの調査を比較して検討するとききました。月内には調査の速報が出るそうです。
 ことはアスベストの問題。注意の上に注意を要するのはいうまでもありません。解体とはいえ公共事業なわけですから、アスベストの取り扱いについては、民間に対する指針ともいえる水準、精度で対応していただきたいと思います。

立地適正化計画はニュータウン対策の最適解か?

2020-11-15 | 日記・エッセイ・コラム

~神戸市都市空間向上計画でニュータウンの課題解決につながるのか疑問


 昨年12月、リノベーション神戸第2弾として、名谷、垂水、西神中央の各駅前の再整備計画が打ち出されました。

すでに着手が始まっており、名谷駅前では、駅前に立地する大丸須磨店の4Fに名谷図書館(仮称)が来年3月にはオープン予定で準備が進められています。

その他、パティオの駐車場の一部とともにその至近距離にある駐車場をマンション用地に転用し、数百世帯のマンションが進められる予定です。

図書館は地域のかねてからの要望、歓迎する声が多く聞かれます。




 しかしその一方で、駅周辺だけの整備でいいのか?という声も出ているのも事実です。というのも、須磨ニュータウン全体の人口がかなりの勢いで減少。須磨区全体でも毎年1000人規模で人口が減っており、とりわけニュータウンへの人口減少対策は急務です。震災後11万人にまで増えた北須磨支所管内の人口は、いまや9万人を下回る状況となっています。

 さて、須磨ニュータウンと呼ばれる地域にはいくつかの小中学校がありますが、そのうち2つの小学校は全学年1クラス。しかも2つのうちひとつは名谷駅から歩いて数分の距離、ひじょうに利便性のよい地域にあります。もうひとつの学校はもともと小規模校でしたが、このまま地域的になにも政策的に手を加えなければ、ひとつの学校として運営に支障が生じたり存続が厳しくなったりしかねない状況にあります。

さらに言えば、あと3~4年もすれば全学年1クラスずつになる、という小学校も複数存在しています。

マンションを誘致することで一時的に人口が増え、子育て世代も増えることが見込まれます。人口増への誘導策としてマンションなどの誘致は必要とは思います。しかし、それは分譲である限り、根本的な課題の解決にはつながらないでしょう。

リノベーション事業によってマンションが誘致されても、人口が増えるのは、残念ながら上記2つの校区ではありません。これでは2校区の児童数の減少という課題解決にはなりません。

 さて、ではどうするか。必要なのはこうした校区内に対する人口の誘導策です。

URへ政策的協力を働きかけたり、市のすまいまちづくり公社を活用してはどうかと思うのです。

URへは、住戸のリノベーションをすすめること、で子育て世代のニーズにこたえうる住戸の提供について協力を求めることです。5階建ての現状ではエレベーターがなく、高齢になると上の階には住みにくくなります。若い世代はそれほど問題にはならないので、よくリサーチして選んでもらえる住戸へと、できるところからパワーアップさせるのもひとつの手ではないでしょうか。

 また、まちづくり公社は、すでに実績を持っています。高倉台地域で、5階建てマンションの中古物件を入手し、リノベーションをして売り出す、という取り組みです。大規模にやったわけではないのですが、若い世代の購入につながり、若い世代の転入の呼び水にもなりえる取り組みとして評価できるのではないかと思います。

これだけが全てとは思いませんが、そういったさまざまな手段を活用し対策を講じることで、課題解決への展望が開けてくるのではないでしょうか。

 ニュータウン内の小学校では、多くのクラスで30人以下の学級。それはそれでいいことなのかもしれませんが、しかし、市の豊かな施策から生まれたもの、というわけではなく、人口減少下で少人数学級となっているのが実態です。いわば不健全な形で少人数学級となっているのです。

地域から子どもが減っているという現状を変えていかなければ、地域に活気が生まれません。このような状況が続くのはとても健全な状況とはいえないと思います。

メディアで報道される過疎に直面した町などでは、子どもの声がなくなるとまちが死んでしまうと、なんとか学校を残そうと取り組んでいる様子が伝えられたりしますが、決して他所のことではないと思います。

 神戸市では、名谷駅周辺に立地していた3つの公立幼稚園のうち2つをすでに廃園にしています。地域からは小中学校とともにまちづくりの核としての大事な役割が損なわれる、と反対の声が地域の方々や保護者など関係者から多く上がっていました。

結局、近隣にはバスで通えるいくつもの民間園があるとして廃止に。しかし、バスで通える民間園はまちづくりの拠点にはなり得ません。

 ひとつひとつの神戸市の対応をみると、ニュータウンの課題について考えている様子はとても感じることはできません。

少なくとも、神戸市のやってきたことは課題解決に逆行しているとしか思えません。

ニュータウンの課題解決には、根本的な姿勢の転換が必要です。