目下の一番の悩みは格安なFilippiのシングルスカル(中古)を購入するかどうか。
失礼します。3回生漕手の今井です。
3回生のこの時期にもなると、ボート部内外で教員採用試験や公務員試験等の勉強をしている同回生をよく見かけるようになりました。我らが御殿が浜合宿所でもそのような対策本を持った3回生が増えています。
僕の方はというと…
学部内でもかなり珍しい、院試組です。
それも、教育学部の研究科(大学院)ではなく、経済学研究科への進学を目指しています。専門分野を変えて、滋賀大学(彦根)あるいは他大学の修士課程への進学となるので、勉強以外にも大変なことは多いです。毎日、ミクロ・マクロに計量経済学、そしてボート、たまにバイト...想像以上に忙しい日々を送っています。しかし、これも自分が選んだ路。ボートも院試も頑張っていきます!
さて、前置きが長くなりましたが、、先日、ハーバード大学教授で経済学者のN・グレゴリー・マンキュー博士の著書を読んでいて、人の意思決定に関する記載で興味深い点があったので紹介しようと思います。(経済学に詳しい方は温かい目で読んでいただけるとありがたいです)
ーー人々はどのように意思決定するのか?--
原理①:人々はトレードオフ(相反する関係)に直面している。
私たちが何かをしようとするとき、たいていの場合別の何かを諦めなくてはいけません。つまり何かを選ぶとは、何かを捨てる事ということです。たとえば、ボート部員が練習しようとすると、勉強やバイト、友達と遊ぶことあるいは家でゆったり過ごすことなどを諦める必要があります。
原理②:あるものの費用とは、それを得るために放棄したものの価値である。
私たちはトレードオフに直面している以上、意思決定の際は常に各行動にかかる費用と得られる利益を考慮する必要があります。あるものを獲得するために放棄しなくてはならない事象全体を機会費用と呼びます。例えば、大学で学ぶことの機会費用は学費、と言いたいところですが、これでは△です。学費も機会費用の要素ではあります(学費∈機会費用)が、4年間就職していたら得られていたであろう収入なども機会費用に含まれます。わかりやすいようにお金について取り上げましたが、これらに加えて時間や労力などもあるので、機会費用は結構複雑ではあります。
原理③:人々は限界的な変化を比較して意思決定を行う。
ここでいう「限界」とは、「端」を意味し、「限界的な変化」とは「行動計画における微調整」のことです。夕飯を断食するか、食べ放題に行くか、ではなくチョコをもうひとかけ食べるか食べないか、という変化です。私たちは、このような行動の中の微々たる事象を変化させることで得られる限界的な利益と発生する限界的な費用を比較しています。100円の板チョコを買ったとします。この時ひとかけ食べる限界的な費用は100円...ではありません。ひとかけ分の費用(1/10枚食べるなら10円)です。もちろん費用はほかの側面もありますが、これとひとかけで得られる満足感などの利益と無意識的に比較しています。
本題です!経済学のこの概念をボートや日常生活に応用してみましょう。ボートをするために諦めなくてはいけない事柄は先ほど一部述べました。さらに練習頑張ったら疲れて寝てしまいます。ということは、、ボートの機会費用ってもしかして高い!?
こう考えてみると、結構高いのではないでしょうか?
でも僕たちは日々頑張っていますよね?なぜ?それは、その低くはない機会費用に見合った、あるいはそれ以上の価値がボートにはあるからだと思います。新歓ではそこを発信していきたいです。毎年、新歓の時期はボート部にとって苦しい時期です。朝練やエルゴの存在により、部外からのネガティブキャンペーンを乗り越えないといけません。そのためにも、なんでボートをしているの?をもう一度考えた上で4月にはピチピチの新入生にボートの魅力を発信していきたいです!
次に限界的な変化についても応用してみます。エルゴをしているときでもいいです。乗艇練習でUTを漕いでいるときでも、レースの時でもいいです。「次の一漕ぎを強くしたら何が変わりますか?」これはまさしく限界的な変化の一例だと思います。2000mのうちのわずかな変化です。ですがこのちょっと頑張ってちょっと強くなったを積み重ねると...頑張れそうじゃないですか?「ちょっと頑張る」という限界的な費用に対してリターン大きすぎない!?これは頑張れるぅっ!!と思って最近練習していると、コーチにも速くなっているといってもらえたので、おすすめです。ぜひやってみてください。
長くなりましたが、このように勉強がボートに活かせます。ほかにもデータ処理で学んだこととボートで学んだことを組み合わせて2000mエルゴの測定値と体重から、体重が変わったときの予測タイムを計算する計算機まで作れます。たまたま僕の専門である数学や興味の対象である経済学が日常に応用しやすいということはあるかもしれませんが、無駄なことはやはりないようです。
な の で
僕の処理能力が多項式時間的なのか指数関数時間的なのかは知りませんが、ボートもできるPh.Dを目指してボートも院試もどっちも頑張ります!
国民的人類最強の兵士 リヴァイ・アッカーマン兵長が「まぁせいぜい悔いが残らないほうを自分で選べ」と言っています。この先この決断がどのように僕の人生に影響を及ぼすかは未知数ですが、僕は選んだので、後は全力で取り組む所存です。
嬉しがって新しくしたsurface pro7で書いてので、スマホならどれくらいスクロールしないといけないか怖いくらいに長くなりすみません。(多分次回書くのが最後かなと思うとつい長くなったことは内緒です)
3回生 今井 たくみ