スウェーデンの生き方 考え方 生活・・・
生活者目線で楽しく伝えたい
今回の内容はメールマガジン6月6日発行を一部書き換えたものです)
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スウェーデンに来て落ち着いた頃、週末に、ご挨拶を兼ねて夫の会社の同僚を
招くことにした。
ワインでもと、町のハイストリート(商店が集まっている通りね)を探したが、
酒屋が見つからない。
スーパーには、ビールしか置いてない。
レジのお姉さんに聞くと、酒屋なら隣の町までいかなければならないとのこと。
で、車で25分、隣町まで行った。
なんとか酒屋は見つけた。
でも、閉まっている。
通りすがりの男性をつかまえて聞いてみた。
「お酒を買いたいのだけど、この近くで、どこに行けば手に入るだろうか?」
彼は、ひとこと、こう答えた。
「デンマーク!」
なんと、スウェーデンではお酒は専売で、System Bolagetという店でしか売っていない。
そして、そこは、平日は5時まで。
土日は完全に閉まるのだ。
夫の帰宅は、早くても7時。隣町まで買いに行くには車が必要。
我が家には車は1台。
というわけで、最初数ヶ月の間、ビール以外の酒類を購入することができなかった。
客を呼ぶときは、ワインがつきものなのに、「ごめんね。買いに行けなくて」
とスーパーのビールを出す。
スーパーのビールというのは、アルコール度が低く、
だからこそ、スーパーで販売しているのだ。
お酒のうちに入っていないのである。
我が家が2台目の車を買う決心をしたのには、お酒の力も大きい。
自動販売機でお酒の買える日本と大きく違う。
ヨーロッパでは、時々こうした、禁酒販売時間のある国にであう。
イギリスで生活していた時も、土曜日にビールを買いに行ったら、
そこに並んでいるにもかかわらず、売ってくれない。
何度も交渉したが、どうやら
「イングリッシュローだ」と言っている。
家に帰って、夫にその旨報告すると、
「そんな変な法律があるはずはない。
お前の英語力の問題だろう」
半信半疑だった私も、
「そうかもしれない」と、再び連れ立って店へ。
もう一度、ビールを買おうとすると、やはり売ってくれない。
食い下がると
「法律で禁止されていて、週末は売れない」と説明。
きっと、その店員、よっぽど酒好きな夫婦だと思っただろうな。
ヨーロッパの風景で、通りに並べたカフェのテーブルで、
日向ぼっこしながら、ビールやお酒を飲んでいるシーンを見たことがある方も多いだろう。
でも、スウェーデンで、昼間レストランなどでお酒が飲めるようになったのは、
案外最近のことなのだ。
さて、話をSystem Bolagetに戻そう。
半分公営のこの店は、薬局と同じようにチェーン店だ。
どこも同じような店作りである。
緑の看板。
中に入ると、酒瓶を並べたショーウィンドウ。
ただし、ガラスケースの中なのでさわれない。
そこで、買いたい銘柄を確認したら、銀行のように番号札をとって
自分の順番を待つ。
呼ばれたら、カウンターに行って店員にその名前を告げる。
店員は、奥に行って注文した酒を探してくる。
世界中の酒が並んでいる。
日本のお酒の品揃いも今では50種類ぐらい。
日本では、製造中止になった桐箱入りの駒ヶ岳持てに入る。
ただし日本で11万円だったものが20万円ぐらい。
注 出羽鶴の小瓶は日本の価格とあまりかわらない。
しかし、そこで扱っていない酒は、スウェーデン中どこに行っても
手に入らないということでもある。
酒の販売を自由化しようという意見も確かにある。
しかし、スウェーデン人はSystem Bolagetの酒を見る目を信頼していて、
いい酒を大量に輸入するので、値段も安く、むしろ大勢は現状を支持。
税金は25%。
私のようにワインに詳しくない人は、店員に相談すると
適当なものを見繕ってくれるのも、ありがたい。
これはHPでシーズンごとにお料理に合わせて進めているワイン。
今回は、夏のビュッフェパーティ向けのノンアルコール
とてもフルーティーで若々しい味わいで、ナシ、ガリアメロン、リンゴの花、柑橘類の含みがあります。軽めの肉料理やサラダ料理には8〜10°Cでお召し上がりください
なんていう説明もついている
とはいえ、こういう風にコントロールされているどういうことになるか。
スウェーデン人は、ドイツやデンマークにでかけると、
さらに税金の安い酒を大量にお土産に持って帰る。
また、行った先で大量に腹に入れてくる。
ビールに関しては、4つのランクがある。
それぞれアルコール度数によって、
Latt(1.8%)
Folk(2.8%)
Mellan(3.5%)
ここまでは、スーパーで販売できる。
そして、Stark(4.5%以上)。
ちなみに、ビールはol(oには上に点々)。
発音はウの口でエ~・・・ル
オイルと間違わないでね。
一時、3.5%のビールを廃止したら弱いビールしか手に入らないので、
その分若い人が量を飲むようになって、
10年後に再び製造販売するようになったというエピソードもある。
2.8%のビールも比較的新しく作られたのだそうだ。
強いビールは20%ぐらいのものまである。
それって、やっぱりビールっていうのだろうか。
かつてはお酒の飲める時間がさらに限定されていたようで、
知人がこんな話をしてくれた。
「飲める時間が短いと、その時に一気に飲もうとするから、結局、
飲む量は、変わらなかったのさ。
それに気がついて、規制をゆるめたら、
人々は、毎日、そのかわり、適量飲むようになったというわけ。
その方が、健康にいいだろ」
無理なダイエットもおなじことかもね。
でも、スウェーデン人って定量主義???
しかし、EU統合にともない、そんなことも言ってられなくなったらしく、
今では、各自治体に最低1つはSystem Boragetもしくは、提携の販売店があり
通販も始めた。
日曜祝日は相変わらず休みだが、土曜日も午後3時まで(これは、店によって短い所もある)開くようになって、
ぐっと手に入れやすくなった。
窓口に頼んでいた受け取りも、セルフサービス化され、2014年には、完全にセルフサービスとなった。
夏に友達のお父さんが亡くなった。
未亡人は、かつてその町のSystem Bolagetに勤めていた。
彼女のセリフが印象的だった。
「例えば、夕食にワインでもと思って、買いに行くとするでしょ。
でも、同僚はみんな、私が夫をなくしたことを知っているから、
ああ、寂しさを酒で紛らわすんだなと思われてしまう。
だから、なにも買いに行けないの」
ああ、なんて日本的な社会なのだ。
飲酒には、特に女性の飲酒には、罪悪感がともなう。
ところで、飲酒運転についてはかなり厳しい。
血中濃度0、2mg/mlを超えると飲酒とされる。
これは、世界一厳しい数値。
そして、罰則は1年間の禁固刑。
会社の同僚が二人、飲酒運転でつかまった。
ところが、前科がないなどの情状が酌量された。
え、不起訴になったかって??
ちがう、ちがう。
公開刑務所での禁固刑になったのだ。
刑務所から平常通り出勤して、刑務所に帰宅。
プライベートライフだけが禁止されたのだ。
もちろんその間は、家族にも会えない。
さらに奴隷のように足輪付き。
それって、完全に拘束されるより恥ずかしくない?
さらに、アルコール呼気を感知したら、自動的に
エンジンがかからないように車をロックしてしまう
アルコールイグニッションインターロックシステムを導入。
前科のある人や、公共交通機関、スクールバスなどですでに義務化。
アルコールについては、スウェーデンはなかなか厳しい。
飲酒は20歳以上。
(スーパーで売っているビールは18歳以上)
そして、冷静で、欲望の疑いのない人だけが、買える。
欲望の疑いのない人??う~ん、どうやって見分けるのか???
日本人は、若く見えるから身分証明書は必携で。
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