こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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どうして入院できないの?!

2013-06-13 22:56:20 | 訪問看護、緩和ケア
タイミングよくいろんなことがスムーズにつながる人と、どんなに頑張っても、どうもうまく歯車が噛み合わない人がいて、その歯車をなんとかうまく噛み合わせようと、現場ではみんな四苦八苦しています、

たとえどんな病状でも、導入時点からトントン拍子に在宅医につながり、必要があればすぐに病院にもつながって、連携がスムーズにとれる。
こういうパターンは、動いている私たちも、気持ちが上向きで支援も楽しいのですが・・・

「どうしたらいいかわからない。病院にも入れてもらえず、途方に暮れています。」

そんな相談を受けて話を聞くと、今までも何回も救急搬送されては、あちこちの病院をたらい回しにされていることがわかりました。

ご本人は全身状態もあまり良いとは言えず、あげく転倒してひどい圧迫骨折をしていて寝たきり状態でした。
近くの開業医の先生が、好意で毎日点滴をしに来てくれています。

なんでこんな状態で入院できないのかな・・?

主治医が情報提供書を持たせ、大きな病院にやっとのことで連れて行っても、なんだか適当にあしらわれて帰されてしまいます。
私たちが関わりだしてからも、どんどん病状は悪化していて、連携室を介して救急搬送をしても、やはり処置だけして帰されてきました。

もう、1週間ろくに食べられていないし、ひどい血尿や腹痛もあり、ここ数日で傾眠状態にまで悪化してしまいました。

どんなに手を回しても、帰されてしまう・・。

このままでは危険です。
もう赤信号がずっと点滅しているのに、なんで入院できないのか。

大きな病院は、それぞれの科で別々にひとりの人間を見ます。

血尿は泌尿器、圧迫骨折は整形、肝機能障害は消化器内科・・・

それぞれの科は、その部分しか診ようとしません。
専門性が高まれば高まるほどに、人間の体をパーツでしか見ていないように感じます。
もっと全身を診て欲しい。
パーツで生きているわけじゃにんだから。

この1週間で2回も救急搬送されているのです。
いくつもの疾患で悪化しているのです。

「このままでは死んじゃいます!」「なんとかならないの?」

ただ情報提供書を書くだけじゃなくて、本当は主治医からも電話して欲しいのだけれど、そういう対応は慣れていないようで、結果すら自分で確かめてはくれません。
その情報はこちらで連携室から聞いて、それを先生に伝える状況では、全身管理も難しい。
同じような状況で、毎回なんでもないと言われ、結局全身の骨転移だった患者さんを思い出します。

それでも今日やっと、在宅支援診療所に繋げることができました。
事情を話し、あすには訪問診療を開始してもらえます。
とてもマメな先生なので、きっと総合的な判断をして、病院に繋げてくれると思います。
悪循環をまずは断つことで、リセットしたいのです。

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