こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
看護師さんも募集中!!

ドクターショピングに困る。

2013-06-12 22:47:56 | 訪問看護、緩和ケア
世の中には、あちこちのお医者さん巡りが好きな方が結構いるようです。

お友達のAさんが「あそこの○×クリニックの先生がいいわよ。」といえばそこに行き、お隣のBさんが「いやいや、どこそこのバッテン大学病院が絶対いいわよ!」といえばそこに行って薬をもらう・・

そんことをしているうちに、どこの先生が責任をもって見てくれる先生なのかが、わからなくなってしまうのです。

家に行くと、何箇所もの病院からそれぞれの訴えに対応した薬が出ていて、何をどう飲んでいるやら、全くわからなかったりします。

特に独居の高齢者は、体調の変化に対しての不安が大きいので、そうなりがちなのかもしれません。

S子さんも、そんなふうにあちこちのクリニックを回っていました。
もともとかかっていた病院は遠くて、最近ではそこには行かずにタクシーで気の向くままに受診をしては、その中から気に入った薬だけを飲むという生活をされたいました。

なにしろ、90代でしっかりものだっただけに、周囲の意見は聞きません。

でも、ここ半年すっかり体力も落ち、転倒をくりかえし、食事も取れない事が有り、自分ではどこにも行けなくなりました。

呼吸も時折ゼーゼーしているし、何度もおすすめしている在宅往診医をやっと了解してくれたました。

薬は本当に思い込みで好きな時に飲んでいたため、数箇所から似たような効能の薬が出ているし、その薬も指示通り飲んでいないので、残数もバラバラ、ふるーい薬も混ざっています。

担当ナースが、何度も薬を整理させて欲しいとお願いしても、自分で飲めるから大丈夫と、頑として触らせてくれませんでしたが、今回は新しい先生が来るので、全部見せてくれました。


往診医が、「これからは、僕が全部薬を用意しますから、なにか欲しかったら僕に言ってくださいね。」と話し、ケアマネから「これからは、全部先生が見てくださるので、誰かに頼んで一人でどこかの病院に行ったりしないでね。ちゃんと教えてくださいね。」と言われて、頷いていました。

最近めっきり忘れっぽいS子さんですが、声をかけながら安全に穏やかに、大好きな我が家で暮らせるように、見守っていければいいな・・と思っています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿