MARUMUSHI

映画とかTwitterとかとか。

『メイヘムガールズ』

2023-05-10 00:39:15 | 映画日記
『メイヘムガールズ』を観た。

時はコロナ災禍。
先の見えない閉塞した生活。
その閉塞してやりきれない力が方向を変えて、超能力に変わってしまった女子高校生4人。
その能力を使って、遊びはエスカレートしていき、ついに犯罪にまで手を染める…。
閉塞した生活、それを打ち破る能力、そして新しい友だちたち。そして恋心。
暴れ出した1人のテレキネシスを相手に3人がそれを止めるために立ち塞がる。

久しぶりに、満足できた映画。
やっぱり、サイキックな能力を使えるのは女の子が似合うと思うんよ。エスパー魔美的な。
男が使うと「痛いよ兄さん」「淀んでるよ、兄さん」になってしまうから、暗いねん。あとは、基本的にエロでしょ?金でしょ?映画にも出てくるけどさ。

撮影中は頃の真っ最中で、そこで見える世界はやっぱり異常だ。
登校したら、まずは手指の消毒。学校ではマスク。鼻まであげないと怒られる。生徒指導もアクリル板越し。
仕事はリモート。上はビシッとスーツで決めているのに、下はパジャマ姿で会議を行う。対面の営業は「マジかよ」と言われる。
今見ると、滑稽な世の姿だ。

でも、それはいつかは終わる。
異常な日常は終わる。そして、彼女たちも。普通に戻る。
でも、普通だった頃の想いが普通に戻ると、それは少し哀しい想いに変わる。
彼女たちが大人になる頃には、たぶんコロナは一般的な風邪として扱われるようになるだろう。そして、この異常な日常を懐かしむ頃が来るのだ。
少しだけ、寂しい気持ちを含んで。
 

『マイ・ブロークン・マリコ』。

2023-01-21 19:19:17 | 映画日記
『マイ・ブロークン・マリコ』を観てきた。

90分ほどの映画。
ずっと泣いていた。

私のマリコ。
壊されてしまった大事な大事なマリコ。
私を普通にとどめてくれていたマリコ。
マリコの私。

マリコの遺骨を抱いて、必死で川の中を渡っていくシイノの姿は、三途の川の彼岸から強引にマリコを連れ戻したようにも、シイノが三途の川の彼岸に渡っているようにも見えた。いずれにしても、彼女たちは2人だけで旅に出る。 

これまでにタナダユキ監督作品は『俺たちに明日はないっす』『百万円と苦虫女』『ロマンス』『お父さんと伊藤さん』を観てきた。
彼女の作品には、”ちょっとした出会い”と”大きなすれ違い”が色濃く描かれているように思う。今回のすれ違いは規模がメチャクチャでかくて辛かったけれど。

人は他者の死に自分を投影し、自分自身を見つめ直す。
人が死ぬのはそのためだ。
だからこそ、死んだ人間のことは忘れなければならない。いつまでも死者をスクリーンにしていてはいけない。自分の人生を進まなければならない。

マイ・ブロークン・マリコ。
私のマリコ。
マリコの私。

『さかなのこ』。

2022-09-17 19:08:34 | 映画日記
『さかなのこ』を観てきた。

劇中の最初の台詞。
のんが魚に餌をあげながらいう、
「おはよう」
で、なぜこの映画の主演が彼女なのかが分かった。
どっちでもいいし、どっちでもない。
魚が大好きな人間。
それだけ。

さかなのこは、そうとは知らず、たくさんの人たちの人生を変えていく。
家族、友だち、不良、ギョギョおじさん。

魚が好きな人間でも人間だから社会の中で生きていかなくてはいけない。
人間の世界は魚の世界ほど簡単じゃない。
自分のなりたいものがわからない。失敗しか出来ず、大切に思った人もどこかに行ってしまう。
子どもの頃になりたかったものとなれるものの間に折り合いをつけることを「大人になる」というのなら、今までにないものになるにはたくさんの失敗をしなくてはいけない。

助けてくれる人がいる、ということは、過去の自分が今の自分を助けてくれている、と言うことだと思う。

子どもの頃になりたかったものになるには、大人になっても自分が変わってはいけない。

『xxxHOLiC』。

2022-05-15 10:11:39 | 映画日記
『xxxHOLiC(ホリック)』を観てきた。

自分が犠牲になることは、自分を大切に思ってくれている誰かを傷つけること。
放り出しただけの自己犠牲は対価にならない。
対価は多すぎても少なすぎてもいけない。そしてそれは世界すべての中でのやりとりであって、一対一の価値のやりとりとは違う。人と人の縁とすべての出来事が必然の中で、対価のやりとりはとてもむずかしい。

CLAMPの描く世界とは違う世界の『xxxHOLiC』と観るべきかと。
女郎蜘蛛が物凄い悪になっちゃってるのがちょっと悲しい…。小物感が…。
女郎蜘蛛はミセと均衡を保つ存在でいてほしかった。

座敷童が最高!かわいい!!


【セクシー動作指導】っていうスタッフがいる作品があるんやと思った。

『シン・ウルトラマン』。

2022-05-14 07:22:11 | 映画日記
『シン・ウルトラマン』を観てきた。
バックグラウンドとしては『シン・ゴジラ』のアフターストーリーって事なんかな?
でも、その辺はあんまり気にしなくても良いと思う。

とにかく、巨大怪獣が頻繁に訪れるようになった世界で、原因は外星人と呼称される宇宙人たちによる侵略の一環、ということで良いと思う。
外星人たちから見れば、バカみたいな駆け引きであろう人間の政治の中で、人間は生きていこうとする。秩序を捨ててしまえば、それは侵略されてしまったのと大して変わらないのかもしれないね。

外星人の中では、他者への信頼というのは弱者のすることなんだろうか?力を持てば、他者という不確実なものに頼る必要はないだろう。
人間と融合したウルトラマンは膨大な量の本を猛烈な勢いで読んでいく。彼は何を知ろうとしていたんだろうか?人間に比べて圧倒的に知能がある彼に、人間から何を学ぶことがあったのだろうか?

世界は偉人たちの水準で動くわけにはいかない。
いかなる天才も数万の凡人がいなければ何もできない。

圧倒的な力を持つウルトラマンでも勝てない者はいる。
答えを出すのは弱きゆえに群れる人間の集約した力。思い思いの考えはあれど、人間を直列にあるいは並列につなぎ合わせれば、ウルトラマンに比肩してあまりある力が出せる。

それでも、僕は思う。
ウルトラマン。
君はなぜ、そこまで人間を信じることが出来るんだ?
君は人間を守ってくれても、君を守ることは一度もできなかった。
君に最後まで頼るしかなかった。それなのに、君は最後まで人間を信じてくれた。
人間は人間をどうやって信じればいいんだ?
どうやったら、そんなに人間を好きになれるんだ?
教えてくれないか、ウルトラマン。