MARUMUSHI

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『薄暮』

2019-08-17 20:45:15 | 映画日記
#薄暮
『薄暮』を観てきた。
とても落ち着いていて、これが日常なんだ、これでいいんだと思わせてくれた。
普通に学校に行き、普通にクラブ活動に励み、普通に家に帰ってご飯を食べて風呂に入って、お母さんやお姉ちゃんとバカ話をしながら笑い、ちょっとの間静かな時間を過ごして眠る。
そう、普通なのだ。仮にそこに東日本大震災と原発事故の影があったとしても。これから先、何十年もトラウマになるであろう震災の記憶。あまりにもそのトラウマ反応が繰り返され自然に目にしているから、もう高次の記憶にまで押し上げられてしまい、要は慣れてしまっている。それは僥倖と言ってもいい。人は変わるのだ。
薄暮。夕日が暗闇に変わる短い時間。その時間が彼女の人生にそこに少しだけ、色を付ける。恋が実る。心が乱れ喜び彼女たちは日々を過ごしていく。
空に向かってバイオリンを奏でる。その横で緑を描き、紙の中に封じ込める。
少しずつ彼女たちは成長する。彼女たちを取り巻く環境も変わっていく。そんな中でこの恋がいつまでも続くだろうか。バス停でどちらかがどちらかを待つように、2人は寄り添っていくだろうか。それはずっと先の話だし物語の余白の中で語られていく物語だ。

5月26日にイオンシネマ茨木で試写会に参加。半分完成しているかどうか、ラッシュと呼ばれる状態での試写になった。この責任を取り監督の山本寛さんは「今後作品を作らない」と引退を発表。そこで一つ言いたいんだけれど、じゃぁ、他に何ができるのかなー、と…。もう良くも悪くもアニメの世界にどっぷり浸かっているわけで、その中で足掻いていってほしいな。