ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

K.064. 家の絵柄豆小鉢 Tigela Pequena Pintura Alentejana

2018-12-06 | 飾り棚

直径 9.5cm  高さ 3.4cm
san Pedoro Patalim窯

 手の平にすっぽりと収まる小さな小鉢。
 その中に描かれた大きな煙突の付いた家はまさにアレンテージョの家だ。
 アレンテージョ地方は内陸に位置するので、寒暖の差が激しい。真夏の気温は40度以上になり、冬になると気温が10度以下になったりする。今年はまだ12月だというのに暖かいはずのセトゥーバルでも朝方の最低気温が0度という日が続いた。アレンテージョはもっと寒いことだろう。

 そういう時にはこの大煙突が活躍する。
 煙突の下は台所の暖炉になっていて、パチパチと薪を燃やして家中を暖める。火の側には三本足の鉄鍋があり、その中でソッパ(スープ)をぐつぐつと煮込んでいる。
 薪は家の周りにあるコルク樫やオリーヴの木の下枝を切ったものだろう。
 家の者が寝静まった夜中にも暖炉にはホコホコとした火種が残り、朝方の冷え込みから守ってくれる。

 アマリア・ロドリゲスの歌う「Uma Casa Portuguesa」(ポルトガルの一軒の家)は聞くたびに心に沁みこんでくる。
 ポルトガル人の心の故郷はアレンテージョだという。
 この唄の「ポルトガルの家」はアレンテージョの家のことではないだろうか。
MUZ(2005/12/15)

 

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