薄暗い中で裏口の鍵を解いて戸を開けると
不意に強く吹き込んでくる冷たい風
今日も風が強いのか?
お天気アプリの気圧配置は
西高東低の典型的な冬型
風は強いけれど
雨や雪が降らないだけでも幸いだと…
このくらいなら今日も走れそうだと思いつつ
裏口の戸を閉めた
12月だからすっかり日の出が遅くなって
7時くらいにならないと明るくならない
明るくなってしばらくしてから
チャラ息子と初孫くんは家を出たようだが
今日も無事で帰って来れますようにと
仏壇の前で手を合わせる朝のルーティン
そのほかにも
老いぼれジジイはいろいろ済ませたあとで
今日もジョグの準備を…
昨日は風が強かった割には暖かくて
ウィンドブレーカーだと汗だくになって
半ば失敗だと思ったけど
今日は寒そうなので同じスタイルで…
この子をお供にして…
走り出してみると
疲労感はやっぱり全然取れてなくて
両足両尻とも鉛のように重くてイマイチ
それでもめまい感や熱っぽさはなくなって
昨日のようにフラフラすることはなく…
あとは左スネ外側の痛みがどうなのか?
そんな自己分析をしながら
ゆっくりと走り続ける
定期的にAirPodsから流れてくる
ランニングアプリのペースは
思ったほど上がってなくて…
まさしく疲れのとれてない時の感覚だと…
ガラスのショーウィンドウに映る
ポンコツジジイのランニングフォームも
いつもよりストライドが狭くて
いかにもヘッポコ…
まぁこんなに身体が重いんじゃなぁ
5キロ過ぎから
心配してた左スネ外側の痛みが
時折り思い出したように顔を出し始め…
注意しながら
長い上り坂を上ったものの…
遠くの幹線道路交差点の信号を目にして
今日もまた200メートルの猛ダッシュ!
無理しなければ良いとは思うものの
途中の猛ダッシュも練習の一環だと思えば
そんなに苦にもならず…
だけどほんのわずかでも
こんな風に頑張って走ってるから
疲れがなかなか取れないんだと
そう思うところもあって…
何だかなぁ
猛ダッシュさえなければ
ずっとゆるゆる走れて
疲れが取れたかもしれないのに…
毎日休みなく走ってるのは
やっぱマズいのかなぁ
歳の割には走り過ぎなんだろうなぁ
そんな毎日のジョグ
いつでも取り返しがきくからと思っても
なかなかうまくいかないよなぁ
そんなだから
長く続いてきた人生も
同じアヤマチの繰り返しなのか?
仕方ないさ
後悔だらけの70年間の人生
後戻りはもちろん出来ないし
残り少なくなって
やり直しも出来ないもんなぁ
今日もまた庭の大掃除
2本あるモミジの木
葉っぱが残ってるのは
あとこのわずかな部分だけ…
これくらいなら
散ったところで大したことはないだろうと
今日の晴れ間のうちにキレイにすることに…
ついでに裏庭の栗の木の葉っぱも
そろそろ散り始めてきたので一緒に…
キレイに掃き掃除するのに
3時間あまりもかかったけど
とりあえずは一件落着といった感じか?
これからは栗の木の葉っぱを相手に
悪戦苦闘が始まるんだろうなぁ
雪が積もる前までは…
毎年のこととはいえ
中腰での作業はなかなか慣れなくて…
いつまで持つだろうか?
老いぼれジジイの腰…
そんなポンコツの腰を労わりながら
作業をしていると
郵便局の若いお兄さんがやってきて…
すいませ〜ん!
ちょっと教えてくださ〜い!
どうやら
新しくこの地区の担当になったということで
我が家とチャラ息子の家の確認を…
同一敷地内のため両方とも同じ地番なので
宛先を確認したいと…
確かに同じ地番で同じ苗字だから
配達する郵便局員さんも困るよなぁ
ましてや
ウチもチャラ息子家も
表札なんかはかけてないから…
ウチは昔っから表札なしだけど
最近はそんな家も段々と増えてきて
個人情報とかの影響か?
まぁ僕も押し売りとか何かの勧誘とか
知らない誰かに知られるのが嫌で
表札かけてないのだが…
表札かけてなくても
必要な人は知ってるわけだから…
で…
郵便局員さんに教えたけれど
彼がずっとこの地区の配達を
担当し続けるわけでもないだろうから
いつかはまた同じことが繰り返されるかも?
まぁそのうち僕も死んじゃうから
そうなれば間違うこともなくなるか?
だけど
この前のジョグ中の衝突事故寸前の出来事
あの時に警察署が
このジジイのことを突き止めたのは
ちょっと驚いたよなぁ
僕の知らないうちに
僕がどこの誰だか知られてるわけで…
でもそれも
僕が死んじゃえば
いずれ忘れられることになるか?
そう考えると
全然大したことでもないと…
平凡なジジイの暮らし
誰にも迷惑かけることもない代わりに
誰のためにもならないということだなぁ
まぁそんなことでいいんじゃないか?
どうせどこにでも転がってる
ありふれた人生…