先週のことで恐縮ですが、稲城市観光協会主催の観光ウォーキングツアー「南山散策と秋の落花生収穫ウォーキングツアー」に夫婦で参加しました。京王相模原線稲城駅を出発し、多摩丘陵の一部である南山を散策しながら地形や歴史を学び、最後に杉山農園で落花生の収穫を体験するという、行程約6Kmのガイド付ウォーキングツアーです。
定員15名を超えた場合は抽選すると聞いていたので、くじ運がほとんど皆無の私、期待半分で結果を待っていたところ…めでたく当選! でも、「私が当選するくらいだから、申し込みが少なかったのね」と思っておりました(^^; ところがどっこい、当日参加してわかったことには、なんと10倍の倍率だったとか!w(☆o◎)w ♪こいつぁ秋から縁起がいいわい(^^)v♪
当日は密雲不雨の空模様、小雨に見舞われる時間帯もありましたが、終盤は日が出て汗ばむくらいになりました。記録のために、順路を追って、画像とガイドの解説を載せておきます。
(★これより下の画像をクリックすると、大きな画像や別の画像が見られます。★リンクに別画像がある場合は、マウスオンするとその旨が表示されますが、ブラウザによっては読み込めない場合がありますm(__)m ★撮影日は2021年10月10日です。)
秋の里山 ~稲城 残された里山のガイドツアー~
なお、「南山散策マップ」(「南山散策マップ制作実行委員会」制作)というパンフに載っている南山の地図(web版はこちら)がわかりいやすいです。
なお、開発前の姿については、過去記事:「失われゆく里山 ~南山~ (1)」・「同(2)」・「同(3)」・「同(4)」・「春の里山2010 ~失われゆく里山 『南山』~」・「冬の里山2013 ~収穫祭と芋煮会~」などで見ることができます。
また、亀井碩哉氏のサイト「稲城南山とその周辺」に、南山に関するいろいろな詳しい情報が載っています。併せてご参照ください(なぜかリンクができないので、このタイトルで検索してください)。
駅のそばの妙見寺/妙見尊の下を回り、南山に入っていきます。 |
私は何度も南山に入っていますが、このルートは初めてでした。
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「この先 本当に 行き止まり」の看板も「いかにも!」です(^^; |
里山に入ってきました。
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「稲城炭焼き倶楽部」を見学させてもらうため、坂を下りて行きます。クラブの代表の方に話を伺いました。 市の記録によると、稲城市には炭焼き窯が20基あったとされていますが、クラブの方が実際に数えると29基はあり、さらに、百村(もむら)には記録には含まれていない窯が少なくとも1基ある由。つまり、30基は存在していたというのが事実のようです。 |
木炭と竹炭とが作られています。 ウバメガシ(姥目樫)を高音で焼き、蒸しが完了してから窯の外に出し、砂をかけて急冷すると樹皮がはがれ、白炭(備長炭)になります。ナラ・カシ・クヌギを低温で焼き、そのまま窯に残して置いておくと黒炭になります。 |
炭焼き小屋を後にし、本道に戻りました。 ここはpal*systemの「いなぎめぐみの里山」の農場。我が家もpal*systemにお世話になっています。 |
2つの幼稚園と2つの保育園が所有する「ゆうし(遊子)の里山」。 現在、計9団体、15世帯の農家が南山を所有しているそうです。 |
ちょうど小雨が降っていたので視界が悪いですが、遠景には東京オリンピックの会場ともなった「東京スタジアム(味の素スタジアム)」(@調布市)が微かに見えています。 |
「篭谷戸の森」にある小屋が見えてきました。 雑木林には陽樹と陰樹とがあり、伐採や下草刈りをしないと、日陰に強い陰樹ばかりになってしまうので、萌芽更新作業が必要です。 |
また見晴らしのよい場所に出てきました。宅地造成中の東側区域が見えています。 |
養蜂が行われている「稲城養蜂道場」。クローバーなどのハチミツが採れるそうです。 |
コンクリの基礎台の向こうが造成地です。 |
南山を下りてきて、JR武蔵野線の線路沿いにある「しょうぶ苑」まで来ました。 リンク画像は武蔵野線の線路。貨物列車専用ですが、臨時列車の「ホリデー快速鎌倉号」(観光シーズンの土休日を中心に運行)も通ります。この日もたまたま見かけました。 |
京王相模原線沿い、稲城駅のすぐそばにある「七曲見晴児童公園」でトイレ休憩。
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樫の仲間のようですが…ツクバネガシ? 椎茸の原木に利用されるようです。 球果が落ち、殻斗(かくと)だけが残っていますね。 |
この階段の上は、江戸時代までは亀山城(長沼城)があった場所。徳川幕府が大名統治のために出した「一国一城令」によって廃城となりました。 |
落花生掘りを体験させてもらう「杉山農園」に到着しました。京王相模原線の車窓からも見える立地です(リンク画像でわかります)。 梨農家でしたが、残念なことに、今年杉山さんが亡くなられ、奥さまだけでは農作業ができないため、梨の生産はできなくなってしまったそうです(^^ゞ |
根ごと引っ張ると、落花生(子房)がついている子房柄ごと容易に抜くことができます。 Wikipediaより:「草丈は25-50cm。夏に黄色の花を咲かせる。受粉後、数日経つと子房柄(子房と花托との間の部分)が下方に伸びて地中に潜り込み、子房の部分が膨らんで地中で結実する(=地下結実性)」 |
塩ゆでした生落花生の美味しさを知っているので、楽しみにしてきました(^^)v 【後日追記】(2021.10.19) ある読者に言われてはっとしましたが、落花生はピーナッツと呼ばれど、木の実であるナッツではなく、豆(pea)の仲間ですね。 |
300円/500g也。 なお、こちらの過去記事で、落花生の豆知識やピーナッツ豆腐について紹介しています。ご参照ください。 |
<落花生のゆで方> 一粒がとっても大きかったw(☆o◎)w 甘くて期待以上の美味しさでした! |
砂地が多いので、梨とぶどう(高尾)が稲城の名産品となっています。 地元のブランド梨である「稲城」という銘柄は、「松乃園」の進藤益延氏が苦労の末に作出した品種で、原木が枯れてしまったために「幻の梨」と呼ばれています。 |
なお、菊池氏は、長年市民の立場として南山の里山保全に注力してこられ、開発計画の発表後は、保全を訴える市民グループの代表として活動されました。「日本農村生活学会」の学会誌『農村生活研究』に投稿された菊池氏の論文「都市の里山開発をめぐる農業者と市民の対立構造」をたまたま見つけました。里山を公的財産として市民が共有できない限り、私的財産化した里山の自然を保全するには、里山を生活者として所有・利用する立場と、里山外で生活しながら里山を自然環境として享受・利用する立場との間の意識の乖離をいかに埋めるか、模索するしかないのでしょうか…。長年後者として関わってきた私は、改めて里山保全のむずかしさを感じました。
ガイドの菊池さんと三浦さん、観光協会のスタッフさんたち、炭焼き倶楽部さん、杉山農園さん、お蔭様で秋の半日を楽しく有意義に過ごさせていただきました。心から感謝いたしますm(__)m
【後日追記】(2021.10.19) 「ある読者」のUさん、情報ありがとうございましたm(__)m
「この先 本当に行き止まり」、思わず笑ってしまいました。
白炭、黒炭の違い、初めて知りました。炭は、脱臭以外にはずっと使ったことはありません。
大粒の落花生は、たぶん「おおまさり」だと思います。近所の農家の方から分けてもらったことがあります。圧力鍋だと、10分で茹で上がります。塩は少し大目の方が、酒のつまみにはおいしいかも。それにしても、落花生、自分で地面にもぐるとは不思議な豆ですね。ピーナッツと言っても、ナッツではないそうですね。「ちこちゃん」で言っていました。
「この先 本当に行き止まり」、笑っちゃいますよね。
でも、行き止まりまで実際に行って、一番奥の家の住民がやむにやまれずつけてもらった看板なのだろうと理解できました。その家の駐車場を利用してUターンする車が少なくないようなのです。迷惑されているのでしょうね(^^ゞ
白炭と黒炭の違い、私も初めて知りました(^^;
「おおまさり」という品種があるんですね。「大きさや味が勝る」というのが名の由来だと、Wikipediaに書いてあります。なるほど!
「落花生、自分で地面にもぐるとは不思議な豆」、おっしゃるとおりですね。だからこそ「落花」なのでしょうね。
ナッツではない、言われてみればその通り!(その回のチコちゃんは見逃していたようです(^^;) これも記事内に追記しました。ありがとうございますm(__)m
またお越しくださいませm(_o_)m