「平和百人一首」とこのシリーズについての解説は、初回記事と2回目の記事をご参照ください。前回記事はこちらで見られます。
なお、かなづかいや句読点は原文のままとするので、読みづらい点はご了承ください。
平和百人一首
さくさくと草刈る音も遠のきつ 朝もや分けて陽はさしのぼる
新潟県中蒲原郡新津町 坂田 なほ
空襲の激しかつた頃を、九十九里の海岸で暮した私は今、平和の御代を迎へ、敵機の爆音におびやかされずに済む明け暮れが、人より殊更に嬉しく、時には涙ぐましい程に感じられるのであります。
或る朝早く、炊事の水を汲みに表へ出た瞬間目にうつつた、今将にのぼり出ようとしている朝日の姿が平和の姿そのもののように眺められました。
朝の活動に入る前の乳色のもやの世界、うす紅にぼかされた東の空、遠のいて行く草刈鎌の音が大変印象的でした。
(なほ)
先日この記事でご案内した「稲城 平和を語り継ぐ三世代の会」の展示会が今日から始まりました。
30日まで、稲城市城山体験学習館(稲城市中央図書館内)にて開催しています。