ケイシロウとトークアバウト

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職人列伝~もぎりリン子

2021-04-20 20:09:00 | 日記




ササキという50代会社員がいた。
総務部の課長をしてたが、
社長から、
「わが社の椅子は君の尻とは相性が良くないようだ」と言われた。
ササキは、
希望退職を促していることを察し、
辞表を提出した。

ササキは、
転職をどうしたものか🤔と考えていたら、
老齢の叔父さんから、
りんご🍎の果樹園継いでくれへんか?と言われたので、
喜んで、
承諾した。

12人ほどのパートのおばさんたちを集めたが、
ササキも含めて、
みんな、
シロウトやった。

12人のおばさんたちは、
一列になって、
脚立に乗って、
りんご🍎をもぎっていた。
が、
一つの脚立がその隣の脚立に倒れると同時に、
その隣、そのまた隣と、
脚立は全て将棋倒しになった😱‼️
しかも、
12人のおばさんみんな、
落ちた勢いで、
足を骨折して気絶した😱😱

ササキは、
おばさんたちの無事よりも、
収穫期のりんご🍎を心配した。
自分一人では不可能やから、
仲良しのりんご果樹園を営んでいるいとこに応援を求めた。
いとこは、
ササキを深く同情して、
「すげー奴をよこすから」と慰めた。

翌日、
小太りのぶすっとしたばばはんが一人やってきた。
名を、 
もぎりリン子という。
ササキは「よろしく」と声かけしたが、
もぎりリン子はシカトして、
果樹園を見回した。
そして小声で、
「ここのりんご🍎は不幸せで悲しい実り方をしとる。まるで、魂の抜け殻やないか。まあ、ここの旦那とエエ勝負やろうけど」と言った。
ササキはムカ😠っとしたが、
こらえて、
「りんごを傷めないように採ってくれ」と言った。

もぎりリン子は脚立に登り、
りんごを素早くもぎりながら、
小声で、
「偉そうなこと抜かしやがって。イタチ野郎が。りんごを傷めるなとか誰に向かって言ってんだよ。唐変木が。りんご🍎と梨の区別も出来ん半端者が」とぶつぶつ---😨

ササキは聞かぬふりをして、
「疲れたら自由に休んでいいよ」と言った。
もぎりリン子は、
ササキの言葉をスルーして、
小声で、
「疲れとんのはテメェのおつむだろが。おむつした赤子にも劣る貧弱な心身は笑うしかねぇよな。まったく、りんご飴にもならん旦那や」とぶつぶつ---
さすがにササキも小声で、
「おかしな奴や😏❓」と呟いた。

もぎりリン子は、
もぎる手を休めることなく小声で、
「聞こえたぞ。おい。おかしかったら笑えばいいじゃないか。まったく要領の得ん旦那や」とぶつぶつ----

ササキはスルーしながらりんご🍎もぎりしてたが、
もぎりリン子は小声で、
「アブラムシの潰れたみたいなツラしやがって。よおまあ恥ずかしげもなく果樹園経営しやがって。テメェのもぎったりんご🍎で白雪姫100人は死ぬぜ」とぶつぶつ----

とにかく、
延々ともぎりリン子の小声の嫌味は絶えることなく続く😡
ササキは、
平手打ちする衝動を何度も抑えた。

そうしてるときに気付いた。
ナント、
もぎりリン子、
無茶苦茶りんご🍎のもぎりが早い😳
そして、
もぎるその手を見ても、
素早過ぎて、
見えない😳😳

もぎりリン子は相変わらず小声で、
「ここの旦那の息はPM2.5か?りんご果樹園経営してる分際でAndroid使いやがって。アップル社のiPhone使うのが常識なんだよ、この半端モンが」とぶつぶつ言って、
脚立から降りた。

全てのりんごが収穫されていた。
もぎりリン子は小声で嫌味を言いながら、
帰って行ったが、
ササキは、
この、
もぎりリン子の神技的なりんご採りに、
畏怖の二文字を持って、
いつまでも、
記憶に留めた。