ケイシロウとトークアバウト

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カマキリ

2021-04-24 22:02:00 | 日記




1975年。

スマホが無い、
ブルーレイが無い、
ウォシュレットが無い、
暗黒時代。

モーさんは、
小学5年生やった。
そして、
当時のガキの楽しみは、
グループで野球したり、
野原を走り回ったりと、
アウトドアなもんやったらしい。

モーさんのクラスには、
昆虫好きな病弱な女の子がいて、
モーさんたちは、
その子の為に、
色々な昆虫を採取してきた。

この女の子は、
特に、
カマキリが大好きやった。
そこで、
モーさんにカマキリが欲しいとお願いした。
モーさんは、
「簡単にいるもんじゃないよ」と言うと、
女の子は、
「きょう中にカマキリ採って来なかったら、未来永劫、カマキリを採れないよ」と言い返した。
モーさんは恐ろしくなった。
理由は、
未来永劫の意味が全くわからない代わりに、
それが恐ろしげな響きを持ってたかららしい。

モーさんは虫採り網持って、
草原のあちこちを、
カマキリ探しした。

そんな時、
誰かがイタズラした、
落とし穴に落ちて、
足を挫いた。
モーさんは足首押さえ、
「痛い😫痛い😫こんなひどいことするヤツは呪われろ!!」と心に呟いた。
が、
この落とし穴が、
先月、
自分とダチで掘ったことを思い出して、
今の呪いは無かったことにした。

痛む足を押さえ、
執念でカマキリ探すけど、
見つからない😢

夕方になった。

モーさん諦めずに、
カマキリ探ししていたら、
道路の方で、
大学生のにいちゃんたちが、
「カマキリや‼️」と叫び合ってるのが耳に入った。

たくさんの人だかり。
カマキリ求めた、
痛々しげなモーさんの足が現れ、
そのまま立ち止まった。

モーさんの視線は、
刃物持って立ち尽くしている男と、
その前で、
地べたに横座りして、
人差し指を甘噛みしている厚化粧した釜おやじを捉えた。
ミニスカートの釜おやじの足から、
血が流れていた。

そう。
カマキリやなかった。
釜切りやった。

すぐに警察が来て、
事情聴取になる。

モーさんは、
そのまま、
足を引きずりながら、
家路に向かった。

この日以来、
モーさんが、
カマキリを捕まえることはなかった。