ケイシロウとトークアバウト

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鴨が葱を持たない時はカネ背負って来る😮

2022-05-26 22:33:00 | 日記




カズミという13歳の女子中学生がいた。
内気な性格で、
友達付き合いが苦手やった。

ある日、
川で怪我をした小鴨を拾って家に連れて帰った(鳥獣保護法違反🙅‍♂️)。
そして手当をして、
5日後に、
元の川に放とうとした。
けど、
小鴨がカズミになつき、
離れようとしないので、
そのまま家に連れて帰り、
その2日後に再び川に放とうとした。
その時、
ようやく、
小鴨は川面を泳いで行った。
振り返ることなく------

10年の月日が流れる。

カズミは23歳。
相変わらずのコミュ障背負いつつ、
一人暮らししていた。
道の駅の野菜直売店に働き、
生計を立てていた。

ある日、
インターホンが鳴るので、
「どなたですか?」と問うたが、
若い男性の声で、
「ハヨ開けなよ!」と言われたので、
ついつい開けた。

玄関前には、
画材背負った横須賀彗星が立っていた。
そして、
「お前の絵を描いてやるからしばらく泊めろ」と言って、
勝手に靴脱いで上がり込んだ。
カズミは、
「警察呼びますよ❗️」と声を荒げたが、
横須賀彗星は無関心に、
「呼べば」と答えて、
イーゼルを組み立てはじめた。
カズミはスマホから警察に電話した。
警察官から「ナニか?」という問い合わせに、
カズミは、
「お仕事ご苦労様です」と答えて通話を終え、
横須賀彗星に、
「変なことしたら今度こそ警察呼びますよ!」と凄んだ。
横須賀彗星は、
イーゼルにキャンバスをセットしながら無関心に「どうぞ」と答えた。

こうして横須賀彗星をルームメイトとするカズミの生活が始まった。
カズミの三食手作り料理にも無関心対応を貫き、
ひたすらカズミを描く横須賀彗星を、
カズミは訝りつつも、
ナニか心がうれしくなった。
何よりも、
横須賀彗星がイケメンやったことは言うまでもないんやけど------

無言無関心を貫く横須賀彗星を相手に、
カズミは一方的にしゃべりまくった。
そして、
10年前の小鴨の話をしたら、
横須賀彗星は笑顔になって、
「優しいんだね」と言った。
カズミは心底うれしくなった。
横須賀彗星はあの時の鴨かもしれないと考え、
思わずLINE交換した。

カズミは絵画には疎い方やったけど、
横須賀彗星が、
カズミを描く前に、
やたら周囲を描き込むので、
理由を尋ねると、
「印象派だから」と答えた。
絵画に対しての知識が希薄なカズミは、
納得するしかなかった。

横須賀彗星が来て6日目の夜。

二人で夕飯してた時、
横須賀彗星の方から、
「絵は今夜完成するから明日見なよ」と言った。
カズミは頷いた。
横須賀彗星は、
「それから俺は絵が完成したら出て行くから」と言うが、
カズミはやはり無言やった。
横須賀彗星は、
「俺をよく見つめてたよな。タダで世話になったから、お前がよければ、今夜は布団をひとつにしようか?」と問うと、
カズミは涙をこぼし無言で頷いた。

その夜、
ひとつ布団は二人のヒートに、
乱された。

翌朝、
カズミが寝てる間に横須賀彗星は出て行き、
一枚の油絵が残った。
それは、
カズミの絵やなく、
6畳部屋に蹲る鴨の絵やった。
カズミは、
イケメン画家を抱えて過ごした生活を思い、
リッチなパリジェンヌのようやと独りごちた。

それから日々は過ぎて行くんやけど、
フツーでさえ味気ない毎日が、
横須賀彗星がいなくなった後は、
生活も思考も乾いてしまった。
ただ、
カズミは、
うなされたように、
「彗星くん。彗星くん」と呟くんやった。

そんなある日、
寂しく横になってたカズミにLINEの着信音が鳴った。
見ると、
横須賀彗星からやった。
そして、
自分が働いている店のことや、
そこでのルールの説明が書かれ、
そこで会おうと結ばれていた。

カズミはすぐに化粧して正装し、
横須賀彗星の指定した店へと足を運んだ。
それから毎日のように通って、
横須賀彗星の為にたくさんシャンコしてあげた。

そして時は目まぐるしく過ぎた。

ある夜、
もやし炒めを食っていたカズミは心に、
「もやし以外の物を食ったのはいつだっけ🤔」と考えたが、
すぐに、
「彗星くんにシャンコするの❗️」と大声出して、
もやしを早食いした。
そして、
ドレスアップした後、
横須賀彗星のいる店へと出かけた。

ケイジロウ、レフティ、
鴨は誰やったのか😃⁉️