獅子ヶ原カズチは甥のケイシロウ(FK)に言う。
「俺はいろいろなワルと会ったが啓一郎ほどのワルはなかなかいない」
今から、
ケイイチロウ(AM)の100倍も悪い👎
啓一郎(あべっち)の少年時代が晒される。
俺とススムさんの隣部屋にいた頃の前年。
啓一郎は、
家庭の都合で、
弟の啓介(アベケイ)と従兄弟のケイシロウ(FK)とともに、
お留守番していた。
啓一郎13歳、
ケイシロウ12歳、
啓介9歳。
啓一郎の両親は、
生活するには有り余るほど金を置いて、
親戚の集まりへと向かった。
啓一郎は、
たくさんの生活費を見て、
「ゲームソフト買いに行こうぜ」と言った。
啓介が、
「兄ちゃん。金使って飯食えるの?」と尋ねると、
啓一郎はたくさんの金を指して、
「飯はたらふく食える!その前にゲームソフトだぜ」と言い、
ケイシロウも、
「啓介。少しだけ使っても大丈夫だよ」と言った。
大丈夫やなかった。
啓一郎が大量にゲームソフトを買ったので、
ゼニが無くなった。
ケイシロウは啓一郎に、
「責任取れよ、あべっち!おばさんたち一週間帰って来ないんだぜ!」と凄むと、
啓一郎は悲しそうに、
「俺、歌唄って稼いでくる」と言って、
出て行った。
啓一郎は顔見知りの近所の家に行き、
ハンバーグとエビフライで満腹になり、
この家の人たちとカラオケして、
少しの食べ物もらって帰って来た。
啓一郎は、
少しのポテトサラダとブロッコリーをケイシロウと啓介に分けた。
啓介は、
「兄ちゃんの分は?」と尋ねた。
啓一郎は寂しげに「いいんだ」と答えた。
ケイシロウは、
「いいんだって言っても、お前の口の横に付いてるのデミソースじゃねえのか?」と問いかけると、
啓一郎は口をぬぐい、
「違うよ❗️」と強く言って、
自分の部屋に歩いて行った。
翌日。
啓一郎とケイシロウと啓介は腹をすかせていた。
啓一郎は二人に、
「俺、血を売って来る」と言ったので、
啓介は必死に、
「よしなよ兄ちゃん!」と言った。
ケイシロウは、
「血を売るって中1のお前の血なんかどこで売るのさ?」と尋ねた。
啓一郎は、
「イオンモールさ」と答えた。
ケイシロウは驚いて、
「イオンモール⁉️」と叫んでしまった。
啓一郎は、
「俺、血を売りに行ってくるから!」と叫んで、
出て行った。
啓一郎はイオンモールの花屋に、
かつての花屋敷があった領地の土を持って来たので、
花屋が、
「おお。あそこの地は一級だから!」と喜んで、
啓一郎に3千円ほど与え、
啓一郎はその金で、
人気ラーメン店のギョウザ定食を食いまくり、
餃子二つをポケットに入れて、
家に帰った。
啓一郎はケイシロウと啓介に、
ギョウザを一個ずつ分けて、
「ごめんな。俺の血はあまり金にならなかった」と言うと、
ケイシロウは、
「金にならなかったのは仕方ないよ。けどお前、歯にネギが付いてるぜ」と言うと、
啓一郎は、
「違うよ❗️」と強く言って、
自分の部屋に歩いて行った。
更に翌日。
啓一郎とケイシロウと啓介は空腹やった。
啓一郎は、
「靴磨きしてくるよ」と言って出て行った。
啓一郎が出て行くと、
ケイシロウと啓介は帽子と鼻メガネして後をつけた。
啓一郎は3日も何も食べてないとハッタリかまして、
一人暮らしの女性宅でお好み焼きをたらふく食った。
そして、
帰り際に、
玄関の外で、
履いていたローファー👞をハンカチで磨いて、
家に帰ろうとした。
啓一郎が家に着くと、
啓介はフテて背を向けていた。
啓一郎は、
「ごめんよ、ナニもなくて。靴磨きが暇だったんだ」と言うと、
ケイシロウが、
「靴磨きってお前、自分のローファー👞磨いただけじゃねーか⁉️」と言って、
啓一郎の後頭部を掴み、
壁に叩きつけた!
(壁ドンならぬ壁ゴン😳)
ケイシロウ(FK)は俺に言う。
「あいつに妥協しちゃ大変だよ」と。
この体験談を書きながら俺は思う。
ケイシロウのこの言葉の意味は、
わかり過ぎる!!