サークルの研修がコロナ禍の中旭ヶ丘市民センターで開催され、今回は中国名詩集から日本でも有名な15編を日本語訳で朗詠し説明を読み凛とした漢詩の音律を味わった。
最も新しい時代のものは毛沢東の「沁園春・雪」 無数の英雄を引き寄せて 競って腰を折らしむという詩だ
詩の後半節は次のようで
日本語読み 一代の天驕(てんきょう) 成吉思汗(ジンギスカン) ただ弓を引きて大雕(おおわし)を射るを識(し)るのみ 倶(とも)に征けり
風流の人物を数えんとすれば 還(な)お今朝(こんちょう)を看よ
説明 一代のモンゴルの英雄ジンギスカンは ただ弓を引き絞ってオオワシを射ることしか知らない みな過去った者たちだ 風雅な人物を数え上げようとするならば やはり今この時代をみよ
省略した詩の前半部分では北国の自然をダイナミックに描きつくした後、晴れた日の陽光と雪が照り映える美しくもなまめかしい風景を描写し、この美しい女神のような中国の大地は、古来大勢の英雄を魅了してきたが中でも傑出した秦の始皇帝など太祖も文学的才能に欠け中国の美を表現し得なかった、に続くのが冒頭部分だ。
毛沢東は優れた文学的センスの持ち主でこの詩作30年後の1966年文化大革命で学生や紅衛兵や軍を動員して行政の幹部の実権を奪い多数の粛清者を出したことは知られている。