サークル読書会は約千年前の古典文学”枕草子”を読むに取り組んでいるが、その時代の宮中の帝(みかど)など役職・官位などが理解できていなければ読み下しただけでは意味が分からない、当時の各官位の装束(狩衣かりぎぬ、直衣のうし)や、官職の説明序列など、官名の太政官・式部省や、序列の位階が分からないと読み下しだけでは理解できない。
正三位、従四位、長官(かみ)、次官(すけ)、判官(じょう)などを解説してくれ大納言、少納言、参議、卿、太夫など役本文の解説は橋本治が分かりやすく解説。宮中人の身分に関する人間関係や日常生活を桃尻語という、現代の女子校生やギャル言葉風で説明するスタイルをとっているので分かりやすい。橋本治は全共闘世代 ”止めてくれるなおっかっさん 背中の銀杏が泣いている 男東大どこへゆく” の駒場祭のフレーズで有名
これを読み始めて2年、現在で八十三段目、はたして最終三百段までたどり着けるかどうか、互いに高齢の講師と我々の今後の健康状態にかかっている。
約千年前の宮中の貴族たちでも現代社会の官吏・企業人でもあまり変わらぬ立身出世意識を持って葛藤していたことが面白く、それを冷ややかな眼でとらえ皮肉を交え面白おかしく綴った当代随一頭脳明晰な清少納言から見た辛辣で的を捉えた文がが残っている事はたいへん貴重だ。
会場の日立システムズホール