ひびこれこうじつ

とりとめなく、日々の覚書です。

家守綺譚

2019-06-16 12:18:39 | 
友人と古本屋をうろついているときに薦められて買って、だいぶ読み進めていたのだけど、途中で置きっ放しになってしまっていた本。
つまらなかったのではなく、一話一話に植物の名前が冠された、明治を意識した上質な文体の短編がとても美しくて、美味しいお菓子を食べ切ってしまうのがもったいなくて取っておいたら、いつの間にか忘れてしまっていた、みたいな感じだった。

アマゾンの内容紹介がとてもよかったのでそのままコピペ。

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。


征四郎のような心の柔らかさが欲しいと思った。