ひびこれこうじつ

とりとめなく、日々の覚書です。

家守綺譚

2019-06-16 12:18:39 | 
友人と古本屋をうろついているときに薦められて買って、だいぶ読み進めていたのだけど、途中で置きっ放しになってしまっていた本。
つまらなかったのではなく、一話一話に植物の名前が冠された、明治を意識した上質な文体の短編がとても美しくて、美味しいお菓子を食べ切ってしまうのがもったいなくて取っておいたら、いつの間にか忘れてしまっていた、みたいな感じだった。

アマゾンの内容紹介がとてもよかったのでそのままコピペ。

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。


征四郎のような心の柔らかさが欲しいと思った。

御託宣

2019-06-13 18:36:35 | 日々のこと
「いつかやろう、これはやるべきだ」
とずっと思っていることがある。

ここにきて、条件が整ってきた気がして、その方法について思い当たることをタロットを引いたけど、ことごとく逆位置。
でもそのこと自体は、愚者の正位置で強力に薦められる。

お昼にそんな話をざっくりと母にしたら、
「もう少し落ち着いてからでいいんじゃない」
と言われた。
「落ち着くも何も、今、大したことしてないけどねえ」
と言ったら、
「お前に、まだ底力が足りないのよ」
と言う。
そう言う時の母の目が、やたらに確信に溢れていて、
「あー、それ、御託宣ですね」
そのまま納得してしまった。
母は時々、
「もしもし、どことつながって話してますか?」
というようなことを言う時がある。

そうなんだ、こんな年だけど、私はまだ、基本的な力の不足にようやく気づいたところだ。
やるべきことは見えている。そしてやっている。
潮が満ちる時は自然に満ちる。

焦らないで行こう。

辻本玲とフィンランド展

2019-06-09 18:29:13 | art
午前中、ぽんぽんのリクエストで松屋銀座のフィンランド展へ。
どうでもいいけど、フィンランドの品物、いちいち高いっ!
お昼にトナカイのソーセージと、ベリーソースの肉団子のセット、鮭のクリームスープ、シナモンロールを、ぽんぽんと分けて食べた。トナカイのソーセージは結構びびったけど、スパイスが効いてて、特に匂いもなかった。ベリーソースは美味しいけど、
「やっぱり醤油が美味しいと思う」
と言ったら、ぽんぽんに、つまらないやつだ、というような顔をされた(気がする)。
それにしてもファストフードみたいなブースなのに、これもいちいち高い!!
その後松屋の呉服屋さんを冷やかして、トッパンホールの、辻本玲さんのチェロコンサートへ。

無伴奏チェロ組曲第2番
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
R.シュトラウス:チェロ・ソナタ

バッハは文句なく圧倒的に美しい。
ベートーベンのソナタは気持ちよすぎてほとんど寝てた。勿体無いことをした。
辻本さんのチェロの音はとてもダイナミックで大きいと思うんだけど、どうなんだろう。ホールのせいかしら。他の人のチェロも生で聞いて見たいなあ。
チェリストにとって、バッハの無伴奏は旧約聖書、ベートーベンのソナタは新約聖書と言われるそうだ。
ドビュッシーはどう聞いていいのかいまひとつ分からなかったが、シュトラウスは元気溌剌で、楽しかった。なんでもシュトラウス19歳の時の作品だとか。
曲紹介をしてくれる辻本さんは、チェロの音とは裏腹にシャイで、チェロを片手にもじもじしながら、申し訳なさそうに話す。アメリカ育ちのはずなのに、なぜか関西弁。

ぽんぽんもかなり寝てた。
「結構大きな音なのに、こんだけ寝られるって……」
と、妙なところに感動していた。でもわかるw

アンコールは、発売されたCDに収録された曲を、
「次は……」
「え、次は……」
と大変気前よく、次々と弾いてくれた。
ラストの、CDのタイトルにもなったピアゾラのオブリビオン(忘却の意味らしい)は思わずうっとり。


保護者会と白えびのかき揚げ

2019-06-08 18:26:13 | 日々のこと

娘同士が同じ高校のママ友と待ち合わせてランチ、その後、保護者会へ。
だんだんどっちがメインなんだかわからなくなるw
お蕎麦屋さんで富山名産の白えびのかき揚げを食べたけど、たいそうおいしゅうございました。母にも食べさせてあげたいな。

保護者会の内容はほぼ受験について。
ぽんぽんにはほとんど関係がなかった。まあそんなことだろうとは思った。
先生たちは生徒をすごく評価していて、
「この学年は団結してて、行事も頑張ってて、すごいです!」
と言っていたけど、多分ここも、ぽんぽんは関係ない。
この2年、ごくごくマイペースに、でも貪欲に、学びたいことを学んでいったなと思う。
ありがたかったのは、先生方が、そういう、進学校にいながら受験向きでない、しかも集団生活にもなんだか後ろ向きな、はぐれ羊みたいな生徒にも、
「面白い子だね」
という、優しい目をかけてくれたていることだ。

担任の先生は、いろんなことをとても楽しそうに話す世界史の先生で、ああ、これならぽんぽんは学校楽しいだろうなと思った。先生の当たり外れが激しいぽんぽんだけど、今回は連続大当たり。

帰りにホブソンズのアイスを食べたけど、えー、こんな味だったかな。31の方が美味しいや。

単純でも複雑でも……

2019-06-03 18:01:56 | 
昨日、国博で東寺の秘宝をいろいろ見て来たけど、中でも今回は結構曼荼羅がたくさん来てて、
「ああ、エゴが作った宇宙って、本当に複雑なんだなあ」
と思いつつ、
「でもこれだけのことができるんだから、それを正しい方向に向けたら、神の子ってやっぱ壮大だよな」
とかも思ってた。

今日は予定がキャンセルになったので、ちょっと体調も悪くて、家でおとなしくしてて、ゲイリーさんの『イエスとブッダが共に生きた生涯』を読んでたら、パーサが、
「そんなに完璧なら、サンシップが目覚めるのにどうしてこんなにかかるのかと聞きたくなるかもしれないけど、実をいえば長くかかっているように見えるだけ(p.263)」
と言ってて、
「ああ、そうでした」
と、思わず呟いてしまった。

複雑さは壮大さではない。
かと言って、壮大さは単純でもない。
単純も複雑もない。
愛だけがあるってことかしらねえ……。