未来への絆 【江戸っ子畳職人物語】

この物語は畳の仕事や日々の暮らしを通し
      家族の愛と信頼を
  余すところ無くブログ化したものでる。

平成27年 熊本県八代市いぐさ刈り取り研修

2015年07月12日 00時52分25秒 | 熊本県畳表産地研修

 

【イグサのつるっとした感触や鎌で刈り取った時の「シャクッ‼︎」っていう音。】

【い草を乾燥させる際に乾燥室から出てくる独特の香り。】

【乾燥室から出てきたばかりのほかほかのイグサの熱さ。】

【ぬかるんだ田園を歩く感触。】

【八代海からくる潮の香り。】

【蒸し蒸しとした湿気の強さ。】

【杭の重さ。】

【朝露を浴びたイグサの美しさ。】


わずか少ない日程でしたが、鮮明にその感覚が目に手に鼻に残っています。

産地の様々な人にお世話になりまして、大変に有意義な素晴らしい研修を体験。

畳のお顔部分にあたる畳表の原料、国内最大の生産地、熊本県八代市に行ってまいりました。



ついた初日は田んぼに入りイグサが倒れないように張ってあった網を外して、明日の刈り取りに備える作業、ぬかるんだ田園で足を取られながら、少しづつ外して行きます。わずか数10センチの巾で網を外す意識より自分が倒れないようにするのに必死でした。物凄く手間をかけて立派に育ったい草を踏まないように必死での作業です。

 



 

 

網を外し、網を巻き取り、網を支えていた杭を外して、またぬかるみの中を歩く。普段私が絶対に体験しないような現実、凄く杭も重たかったです。

 



明日の準備をする中で、イグサの刈り取り専用機があるのですが、その機械を入れる為のスペースを一株一株鎌を持って刈って行きます。

 

 

すぐったいぐさの中で一休み!!

 

 

刈られたイグサは長さをある程度選別して、紐で縛ります。少しづつ体験する中で大変に思いましたが、機械がない時代は広い田園を全て手で刈る。とんでもなく大変な事です。あの刈り取ったばかりのつるっとした感触は忘れられない、そして手塩にかけて育てたイグサを刈り取っている時に生産者様の笑顔を見つけました。収穫の実りを喜ばれている笑顔です。



とっても感動しました。



 

まだ真っ暗な朝早くに、物凄く熱を持った空気環境で、染める土と書いて「染土」が舞う真っ白な空間に立ち、イグサを数株づつに分け袋に入れ保管する。そしてすぐさま前日に泥染めしたイグサを一株づつ綺麗に並べて行く。私は気を失いそうになるくらい、大変な環境です。それを生産者様はイグサ刈りの数十日間、毎日のように作業されます。

 

 

美しい朝焼けに美味しいご飯を頂き、すぐさま昨日網を外した田園の刈りとり作業へ、昨日の夕立のせいか朝露か、刈り取られたイグサたちから溢れる水滴は大げさですが何かとっても美しくて、とっても綺麗でした。

 

 

刈り取られたイグサは一株づつトラックに積み込んですぐさま生産者様宅へ、また一株づつ泥染めをして一株づつ明日の乾燥に備え準備します。

 


ほんのすこしだけでしたが泥染めしたばかりのイグサを積み込む作業を体験しましたが、あのビショビショになったイグサの重さも手に残っています。

 

私が体験させて頂いたのはほんの一部にすぎませんし、生産者様によっては違う環境もありますが、サイクル的には同じ作業の繰り返しです。



そのご、様々な時を経て畳表となり、私達のもとへ届いて、畳になりお客様のもとへ届けます。

 

大切に届けたいと想う気持ちが今まで以上に強くなりました。感触や香りや色々な想いが忘れられないんです。

 



私が産地に行って一番変わったのがその想いです。自分が体験する事によってわずかな体験でも心は大きく変わります。



畳って素晴らしい敷物だと思います。


イグサ生産者様をはじめ産地に携わる人、畳を作る人の様々な想いがたくさん詰まっています。



凄く贅沢だと想う今日この頃、明日からの畳も火傷するぐらい熱いたたみを、お世話になりました全ての方に感謝して学ばせて頂いた事を大切に届けます。



本当にありがとうございました。

 

追記で!!

 

 

バイクでまさかの移動(笑)

 

 

共に学んだ仲間です。彼と八代に行くのは四回目。感謝してます!!本当にありがとう。刺激をいつも感じてこの世代や時代にできる事を精一杯頑張ろう!!


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