いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

名なし羅漢の激励

2005-03-23 13:29:26 | Weblog
雨模様の日が続いている。近所の植木畑に咲いている紅梅に溜まった水滴が
キラキラ輝いていた。
散歩から帰ってもそれが気ががりで、デジカメを手に・・・。カシャ、カシャ、カシャッ。

デジカメは、ピント合わせの時間があり、スチール・カメラのようにシャッターチャンスに
パチリだと、ピンボケ画像になってしまう。

「やっとこさ、ピンボケの原因が解かったようね」
 ボケ封じ観音さまが、還暦を過ぎた元気印を冷やかす。

狙った画像の記憶が終わる=ピントが合う仕掛けになっているので、動く被写体を撮る
ときは、ひと苦労。撮影が済んだ画像を保存する時間も要る。
シャッターチャンスは逃げてしまい、次のチャンスを待つ。ジィーット我慢の子だ。

「元気印君は、アナログ育ち。デジカメに慣れる時間が要るんだよ~ん」
 間髪をいれずに、名なし羅漢が追い討ちを掛けてくる。
「観音さまは、彼のどこに惚れたんだ。五百の羅漢から選りによってあなた好みを探し
だしたのになァ。パシィ~と決まった、あの快感、デジタル羅漢に解って堪るか」

「還暦を迎え無事に過ごす。元気印君の世界では、お目出度いことです」
 名なし羅漢の堪忍袋の紐が硬く結ばれたままでは、戦意喪失だよ。憤懣やる方ない。
 住んでる世界の違い・・・。上天(じょうてん)と下天(げてん)の違いなんだろうか?
 
「私の選んだ羅漢さん、60の手習いを始めている元気印シニアさんです。目を掛けてやってネ」
「苔に覆われたこの法衣、観音さまが洗い清めてくれました。羅漢にも衣装でしょう」
「羅漢さん、お年は幾つですか?」
 ヤッパ!!観音さまは、名なし羅漢に惚の字だ。

「我輩の一昼夜が、元気印君の50年」
「観音さまのボケは、22世紀になっても始まらない。だからボケを封じる観音さま!?」
「!?は失敬だよ。元気印君を心配しているから、ボケる暇がないだけ」
「羅漢さまは、どうなの?」
「へそ曲がりシニアの肩入れをするから、観音さまがボケてから・・・」

「あと数年するとボケが始まるかも。そんな兆しが診える」
 こんな思いを巡らしていると
「70歳になってお迎えが来たら”いまは留守です”と云いなさい」
 名なし羅漢が激励する。
「80歳になりお迎えがあったときは”まだ早い”と云って追い返しなさい。
 気を強く持ち、気を練り上げて、気で気を食ってしまいなさい」
「昨日の事も忘れ、明日の予定も定かでないのに、5年も先のことなんて、とても・・・」
「元気印君の50年が、我輩の1日。5年先のこと、とんでもない考え違いをしている。
 今からです、今直ぐなんです」 

「私の選んだ羅漢さん、す・て・き。羅漢さんとデートに決ィ~めた」
「元気印君、病は何とかから・・・。さらば、気がもめもめの、お富士さん」

観音さまと名なし羅漢を見送る、元気印のシニア。
ポカ~ンとした顔のまま立ちつくしているが ”さようなら、お富士さん”。
70歳になった時の撃退台詞は、覚えたらしい。
デートを楽しんでいる観音さまは、元気印の”心の声”を聴いて微笑んだ。
 
  
コメント
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