言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

失語症

2020-05-11 06:28:00 | 日記
ブログで紹介しましたが、5月9日(土)17時半からのTBS報道特集というで失語症が特集されました。
そこでは、脳血管障害や交通事故により脳にダメージを受けて、失語症を発症した方が懸命に生活や復職をしている様子が紹介されていました。
私は普段から失語症の方とお会いする機会が多いですが、番組を見ていてまだまだ認知されてないと感じました。少しでも認知が広がり失語症の方が生活しやすくなるようにするのも言語聴覚士の仕事と改めて感じました。
【失語症とは】

大脳(たいていの人は左脳)には、言葉を受け持っている「言語領域」という部分があります。失語症は、脳梗塞や脳出血など脳卒中や、けがなどによって、この「言語領域」が傷ついたため、言葉がうまく使えなくなる状態をいいます。

つまり、失語症になると、「話す」ことだけでなく、「聞く」「読む」「書く」ことも難しくなるのです。しかし、脳(左脳)の傷ついた場所の違いによって、「聞く」「話す」「読む」「書く」の障害の重なり方や程度は異なります。

簡単に説明するとこのようになりますが、実感がわかないと思います。テレビでもありましたが、感覚的に言うと『突然、言葉が通じない外国へ放り出された』感覚と言われています。この事を知ってるだけでも失語症の方とのコミュニケーションを取る方法が少し考えることができます。

・短く、ゆっくり話す

・言語だけでなく、ジェスチャーや描画も交えると理解が進む

・○✖️で返答できる質問をする

・人格や認知機能は保たれている

など。

もし、周囲に失語症の方がおられたら参考にして下さい。


園芸

2020-05-10 16:16:00 | 日記
園芸療法というものがあります。
簡単に説明すると、園芸をする事で五感が活用され様々な効用があると言うものです。
今日、庭に夏野菜を植えました。毎年植えています。子ども達と一緒にやります。
私が子どもの時も小さいスペースに母が作っていて、私も楽しみながら手伝っていた記憶があります。
園芸療法は認知症にも有効とされています。
今までに園芸をやった事のない方にももちろん効果はあると思いますが、今まで園芸を趣味などで、記憶に残っている方には更に効果が期待できるのではないかと勝手に思っています。
記憶は知識の記憶よりエピソードの記憶、エピソードの記憶より身体で覚えた記憶(自転車の乗り方など)の方が忘れ難いといわれています。
園芸には様々な種類の行為が含まれていて、様々な行為には記憶があります。経年的な行為で生活に溶け込んでいるのはあまりないので、園芸の素晴らしさを改めて実感しました。


嚥下内視鏡検査

2020-05-10 07:43:00 | 日記
昨日、在宅での嚥下内視鏡検査に立ち合いました。
この検査は、鼻咽腔ファイバーという内視鏡をのど(咽頭)に入れ、食物の飲み込み(嚥下)の様子を観察する検査で、唾液や喀痰の貯留の有無、食物を飲み込んだ後の咽頭内への食物の残留の有無や気管へ流入(誤嚥;ごえん)などを評価することができます。また、嚥下に影響を与えることのある声帯の動きも評価することができます。
この検査の結果をふまえて、今後の食事形態や食事時の姿勢の調節、嚥下訓練の適応、方針を決定します。
この検査は大きな病院では珍しくないのですが、今回は在宅で行った事に大きな意味があります。
毎日食事を食べている部屋で自分の椅子に座って、奥さんが用意したいつも通りの食事を検査できます。病院に行って、疲れて緊張している環境で病院が用意した物を食べて評価するのとは大きく異なります。
今回は訪問歯科医が行い、そこに言語聴覚士が立ち合い、情報共有ができました。その場でフィードバックも行い、ご利用者、家族も納得され、注意点、訓練方針の確認ができました。
今後、在宅での嚥下内視鏡検査が普及する事を願います。


笑顔の授業

2020-05-09 06:54:00 | 伝えたいこと
中日新聞や東京新聞でも取り上げられた池田博之さんについての番組がTBSで放映されます。
復職までの道のりや、「笑顔の授業」という授業を通して失語症について伝える活動という内容です。
皆さん是非見て下さい!

TBS報道特集「笑顔の授業」(TBS系列番組)

令和2年5月9日(土)番組開始は17時30分

サービス担当者会議

2020-05-08 21:15:00 | 日記
 私は言語聴覚士になって17年になります。
 本日の担当者会議は今までに出席させていただいた担当者会議の中で一番素晴らしい担当者会議でした。
 本人様、家族様、ケアマネージャー、往診医、歯科医、看護師、言語聴覚士。医師が参加した会議は初めてで、密に情報共有ができました。本人・家族も大変安心だと言われていました。
 これこそが地域包括ケアシステムの本来の担当者会議ではないでしょうか。
 良いも悪いもやはり医師が加わると会議の雰囲気、質も向上します。
医師が参加できない理由は様々な要因があります。私はやはり忙し過ぎるのが最大の要因だと感じます。
 今、未曾有の危機で医療崩壊が懸念されていますが、今後もっと医師の数が増え、在宅の分野にもどんどん医師が介入して欲しいと切に願います。