光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

博物館に初詣 #3 小林古径「踏絵」、前田青邨「朝鮮之巻」

2019年02月11日 | アート 日本画

 もう、旧正月も過ぎましたが、博物館に初詣 #3をまとめました。

小林古径「踏絵」と前田青邨「朝鮮之巻」です。 

 両作品とも、トーハク所蔵の近代日本画では大好きな作品で、それぞれ、過去のブログ

にも掲載しています。

小林古径「踏絵」・・・・2013年6月6日のブログ

前田青邨「朝鮮之巻」・・2011年6月3日

上の二つの記事は、ページビューも多いので、今回、新しく撮った写真でお色直しを

してみました。

まず、「踏絵」から。 

今回の撮影分では、軸装も含めて、ワイドにし、色彩等の補正も抑えめにしました。

ただ、ガラス面に天井や照明が映り込み、残念なのですがご容赦を。

 

 

 

 3人の女性達のアップです。 表情が妙に艶めかしく感じるのは、私の修業が足りないせいか。

 

 

 

 次は、前田青邨「朝鮮之巻」です。




大正三年(1914年)、単身、朝鮮に渡り、平壌付近で取材した成果とのこと。
 


 

 



 


城門を通り抜ける市井の人々。  左下の女性は洗濯中の姿だと思います。  昔は、洗濯物を棒で叩いていたんですね。

 

 

 


 

 

 



当時は、ほとんどの人が白衣で、両班と呼ばれる官僚支配階級だけが

色付きや柄付きの服を着ることを許されていた。

それにしても、自由闊達な筆さばき、さすが青邨だ。 

 


当時の民俗が、よく捉えられていると思います。

 


女性は頭の上に籠?を載せて、物を運ぶ姿が多い。 そして、短いチョゴリ(上着)から、乳房が見えているんですね。

赤ちゃんの背中への抱き方は、日本ではおんぶですが、当時の朝鮮では、腰に巻いた布でくるんだようで、ポテギという

そうです。

市場の群衆の光景、素晴らしい描写力です。

 



 

 

 

 



河岸の光景。 平壌を流れる大同江でしょうか。

 



 



瓦葺の屋根には、魔除けの雑像(チャプサン)が。

 


河岸で洗濯する女性達。 白い着物なので、洗濯は大変だったでしょう。

頭に載せているのは、洗濯物だったんだ。

緑布の屋形船のような舟は、何なのだろう。

 

 

 もう一艘、同型の舟が描かれていて、女性が網?を引いている?・・・その横には鼓を打つ女性

ますます分からなくなりました。



釣りをする小舟、洗濯をする女性達、展示はここまでです。 生活風俗を活き活きと表現した青邨の画力は、本当に素晴らしい。


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2 コメント

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面白い風俗画 (越後美人)
2019-02-11 17:00:45
人々の表情も豊かで、当時の風俗も分り面白いですね。
生き生きとした登場人物たちは、今にも言葉を発しそうです。
短いチョゴリから・・・の下り,私も探してみました。
こんな風だったんですね。
おおらかと言うか、今ではあり得ない光景ですが、ちゃんと描かれていますね。

冒頭の三人の女性たちはそれぞれに美しいですね。
私には、何か下心があるように見えます。
私のひがみでしょうか(笑)
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越後美人さんへ (te-reo)
2019-02-11 21:48:26
そうなんです、民俗って面白い!と思うのです。
越後美人さんの(私も)、骨董好きにも、ひょ
っとして繋がっているのかも。

”私には、何か下心があるように見えます。”
鋭いですね。
踏絵の博物館の解説には、”運命を自ら選択し・・・云々” と高尚そうでよく分からない
ものになっていますが、当時は、内面でキリス
ト教を信仰さえすればよい、という考えが広ま
り、役人の前では堂々と絵踏みをする隠れキリ
シタンがひろまっていたようです。
この絵にも、若干のためらいはあるものの、絵
を踏むと決めている、したたかな女性の表情が
汲み取れます。 そうした意図を、簡潔で美し
い線描で表現した小林古径の技量に感心するば
かりです。
コメントありがとうございました。
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