光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

「木島櫻国 PartⅠ 近代動物画の冒険」展 泉屋博古館分館に行って #2

2018年03月08日 | アート 日本画

木島櫻国は、明治10年(1877年)に京都市内、三条室町に生まれた。

京都の経済や文化の中心地だったこの地で、絵の才があった櫻国は、16歳で京都画壇の重鎮であった

今尾景年に入門し、技量を磨いた。  一方、漢籍も別の師について学び、昼は絵画制作、夜は漢籍

読書の生活を生涯送る。

20代前半には独立し、各種展覧会に出品するようになった。

当時の出品作。  (なお、撮影は美術館より特別の許可を得て行っています)

 

左の猛鷲図の解説です。説明する実方(さねかた)葉子学芸課長(京都・泉屋博古館)。 本展を中心となって企画・準備された方で

エピソードなどを交えながら、わかりやすい説明をしていただきました。

 

 

 

 

卓越した技量の源泉となったのが写生。

今回の展示では、その一部が展示され、櫻国の修行ぶりが垣間見られる。 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この屏風の制作が7月となっており、京都の街中の家で個人所蔵されていることから、祇園祭宵山で、屏風祭に使われたと思われるとのこと。

注:屏風祭 宵山の期間中、各山鉾町の個人宅(有志)の表の格子を外して秘蔵している屏風や美術品、調度品などを飾り、祭り見物に来た人々にも、通りから鑑賞してもらえるようにしている。

 

 

 

 

この作品も洛中の旧家の伝来品なので、屏風祭用か。  獅子の顔貌や瞳が、獣というより、高邁な精神を宿しているように見える。

 

 

 

 

 

キャプションにもあるように、熊の眼差しが優しく、冴えわたった画技に奥行を与えている。

 

 

 

 

 「かりくら」  100年以上行方不明で、ボロボロで発見されたものを、2年かけて修復したもの。

馬の躍動感や、草花の描きこみがさすがです。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高価な青系絵具などを、たくさん持っていて、調査をしている芸大生たちから、垂涎の的らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 左 :「獅子」 昭和時代 櫻国文庫蔵

   

                         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に、「寒月」の横に展示している「時雨」。 第1回文部省美術展覧会の日本画で最高位を受賞した作品。

 

「時雨」 明治40年(1907) 東京国立近代美術館蔵


泉屋博古館分館は、こじんまりした美術館ですが、充実した展示で、見応えある美術展になっていました。 お勧めします。


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