光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

「巨匠たちのクレパス画展 ー日本近代から現代までー」と、東アジア文化都市2017京都「アジア回廊 現代美術展」の中原浩大展示パートから

2018年07月19日 | アート 西洋画

少し前に事前案内記事を書いた「巨匠たちのクレパス画展 」のプレス内覧会に、ブロガー招待で行ってきました。 

 ◆会 期: 2018714日(土)~99日(日)

◆会 場: 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
   

会場入口前のポスター。 

 

 

今回の記事は、この展覧会に次の展示を付け加えました。

◆東アジア文化都市2017京都「アジア回廊 現代美術展」の中原浩大の展示パート

理由は、幼少期のお絵かきを考えてみたためです。

 

 

まずは、巨匠たちから

熊谷守一、らしい作品です。     ※美術館より特別に写真撮影の許可を頂いてます。

 

  

 

 クレパスの開発と普及に重要な役割を果たした、山本鼎の作品。  1934年制作なので、84年ほどたっているが、退色は無いように思います。

 

 

 

  

 

クレパスの直線的なタッチが面白い。

 

 

 

  

 

 これは、油絵にみえます。 色調もきれいです。 クレパスで表現できるんですね。

 

 



クレパスは石膏デッサンにも合いそうです。






 速いクレパスのタッチが力強い。

 





 猪熊弦一郎は、クレパスを下絵に使っていたんですね。 

この絵のモデルは、猪熊弦一郎の奥さんで、当時としては大胆な、タンクトップの服を着ていると、サクラアートミュージアムの清水主任学芸員の解説。

 

 



朝井閑右衛門の画風には、ピッタリです。

 

 

 

 

 軽快なタッチがいい。

 

 

 

                                                                                                                                                                                                                                      

伊勢正義の人物画(油絵)は、端正な感じが好きですが、クレパスを使っても同じですね。

 

 

 

 

 小磯良平、さすがですね。 クレパスの特性を活かしながら、しゃれた構図とデッサン力で作品にしている。

 

 

 

 

 小磯良平のこちらの作品には、サクラアートミュージアムの清水主任学芸員が、女性の頬や首筋のグレーの陰を絶賛していました。

私にはブルーグレーのその陰も含めて、肌色の美しさが素晴らしいと思いました。 これをクレパスで出せるとは。

 

 

  

宮本三郎のクレパス画も独特ですね。 



 

 

クレパスでも山口薫らしいタッチが感じられます。色彩も軽やかでいい。 


 



國領 經郎のこの作品は、高橋由一の「鮭」を意識したそうです。

 

 

 

 

加山又造や山本文彦の作品、繊細な描き方になってきています。



 


左は大藪 雅孝 《果実 》      右は久野 和洋 《 林檎と南天》 ともに1996年の制作。 細かなディテールはクレパス画とは思えません。


 



左側:坂口 紀良 《窓辺の読書》 は2005年制作。イラスト調の表現も面白い。   右側:深井 隆 《青空》は、2004年制作。 タイトルとの繋がりが分かりませんが、色味が面白い。

 

 

 

 

 

船越桂の、この手の人物作品は、木炭で描いたものを過去に見ていて、そちらの方がよかったように思います。

 

 

 

 

 

 オーソドックスな風景画ですが、光を感じさせて面白い。

 

 



鴻池朋子の《Little Wild Things》は、2015年の作品。  切り貼りしていますね。 足が5本だ! 

 




左:福井 江太郎 《》 2014年    右:天明屋 尚《水炎舞》 2015年   現代の作家になると、クレパスを使っているようには思えない作品が多い。



会場では、”色彩紀行”として限定販売されたご当地クレパスセットが展示されていました。 

私にとっては、この絵が、クレパスのイメージです。

 

 

 また、1階ロビーでは、クレパス画体験コーナー【当日自由参加・無料】が設けられていて、夏休みに子供と絵を

描くのも面白いのでは。

 

 

 さて、巨匠たちのクレパス画、いろんな表現ができることを知りましたが、やはり子供のお絵かき道具というイメージが強い。

自分のクレパス画 ってどうだったかな?  とふと思ったとき、小さいときに描いたクレパス画は全く残ってない。

私は、小さい時、絵を描くのが好きで、ワラ半紙に鉛筆で漫画的な絵を描いていた。 母は、なんでもよく残しておくタイプで

20台の頃、帰省した時に古いキャビネットの引き出しに、その絵を巻紙のように丸めてゴムで止めてあったのを発見した。

懐かしい絵だった、それ以上に、母が私のそんな書き散らしをとっていてくれたことに、ジーンときた記憶がある。

学校で描いたクレパスや水彩画も、たぶん残していたと思うが、確かめる機会を逃して、8年前に母が亡くなり、その年に

故郷の家も整理したので、今は何も残っていない。

 そんなことを思った時、思い出したのが昨年開催された、

東アジア文化都市2017京都「アジア回廊 現代美術展」の、中原浩大の作品展示でした。

会期:2017年8月19日~10月15日   会場:二条城、京都芸術センタ)

既に終了した美術展で恐縮なのですが、内容は素晴らしく、ブログ掲載したいと思っていたのです。

しかし、記事ネタが山ほど溜まっていて、手がつかない状態のため、こういう機会に一部でも紹介できればと思った次第です。

メインは二条城の展示でしたが、京都芸術センタ(下の写真)もユニークな作品が多く素晴らしかった。

ちなみに、この京都芸術センタの建物は、近代建築の美が残る元明倫小学校をリノベーションしたもので、京都の中心部である

祇園祭の鉾町にある。

 

 


センタ内の渡り廊下・階段付近・・・うーん さすが。

 

 

 


中原浩大の展示室(元教室) 作品《Educational》のキャプションです。





中原浩大の子供時代の描画物。  黒い線で描かれたドローウィングの2枚は、子供時代とは違うと思います。

 

 

 

クレパス画が結構ありますね。  パープル色の新幹線や、青雪の富士など、面白いものもあります。

 

 

 

 

赤ちゃん(中原浩大の妹)が生まれたときの絵日記でしょうか。 それにしても素晴らしい絵と文章です。クレパスかな?

 

 

 

 

水彩、クレパス、版画も。 中原浩大は私より10歳若い世代なので、学校教育の場では、多彩なツールを使っているのが窺えます。

 

 

 


驚くのは、こうした絵や学習張を、よく残していたものですね。 本人の意思もあるでしょうが、両親の愛情の表れではないでしょうか。

 

 

 

 

こちらは、水彩が多い。 しかもうまい。 小学校の高学年での描画と思いますが、これだけ描けるとは。

 

 

 


左上がクレパス画で、他は水彩かな。 

 

 展示には、描画だけではなく、自然観察の学習結果発表や、手記風の文章などが並び、中原浩大が受けたEducationalが垣間見れるものでした。


さてさて、クレパス画展もこの辺で締めたいと思います。

 最後の写真は、内覧会が終わって、損保ビル42階の窓から、スカイツリー方向を撮ったものです。

 


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