第2章 昭和の貌
時代の象徴という副題です。 このコーナは両雄の違いがはっきりしていて、楽しめました。
私が幼い頃に、笠置シズ子もエノケンも、テレビで見た記憶があります。 笠置シズ子はうるさいオバサンのイメージだったけど・・・・。 両方とも昭和23年の撮影。
右の、三木のり平の姿が絶妙。 丹下キヨ子も、こわいオバサンのイメージだったのですが、20代で、ファッションセンスのいい姿に、ほー。
左 コマーシャルのはしりとなる写真。 商品は、練炭七輪と電話機で、それらしいポーズの高峰秀子。
右の写真は、土門が高峰秀子を、銀座1丁目から8丁目まで3回歩かせて、執拗に撮影したというエピソードが
残る作品。 高峰秀子の表情に、少し困惑は感じるのですが、でもプロの女優の意地も感じる。
キャプションに書かれている状況下、ひばりのリラックスした姿を引き出したのは、さすが。 ひばり15歳。
原節子は、写真でしか知らない女優ですが、この笑顔を見ると素晴らしい女優だったんだろうなー。
ロケ先の廃墟での休憩でしょうか、仕事を一旦、切り上げるスタッフの姿、そこに困った女優・歌手の山口淑子の艶めかしいポーズ
面白い作品。
雰囲気のある写真でいいですね。
裕次郎の表情が生きています。
林の作品としては珍しく、石原兄弟の表情が硬いのですが、でも、二人の微妙な陰影が立ち昇るのを感じる。
永井荷風の自然な姿、岡本太郎の怪訝な眼差し、それぞれの個性が出て面白い。
キャプションを見ると、執拗な土門の撮影に、梅原は怒ったとあります。 確かに、眼と口元がそれを語っています。
土門は、自分の美学で人物像を捉えようとして、相手を怒らせることが間々あったようだ。
斎藤茂吉の写真は、街の写真館で撮ったような味気ない写真、キャプションの土門の言葉”病み衰えた姿をみて、何か胸が一杯で撮影も思うに任せなかった。” なるほど、そういうことか。
右の富本憲吉は、陶印を制作している姿ですが、いい味があります。 前回の記事で、富本がつくった土門の陶印をアップしています。
キャプションに、吉川英治が”いい写真なら、原稿用紙何枚でも書けるようなイメージが湧いてくるものです。”と林にいい、林が深く心に
残る言葉としている。 私も、いい写真(芸術作品も)は、いろんなイメージが浮かぶというのは同感です。
山本周五郎、浦安の干潟で、いい雰囲気の写真です。 昔、よく読んだ作家です。
まだ司馬遼太郎の作品は読んだことはないのですが、何かと耳目に入ってくる作家。
林がクローズアップで撮った写真は、いろんなイメージが浮かびます。 細かく見ると、眼鏡には度が入ってないないですね。
このとき、司馬は46歳、特異な風貌も、マスコミ等への演出の思いがあるのかな。
似たテイストで、松本清張のクローズアップ。 凄い、この迫力は!
次回は、文士の肖像などを予定。
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