6月下旬に行った、韓国国立現代美術館の紹介です。
昨年も紹介しましたが、とにかく面白い美術館です。
6月29日(水)に現地から第一弾をアップしましたが、まだまだ、紹介したい作品が
多いので詳細編をアップします。
韓国の国立現代美術館は、果川館、ソウル館、徳寿館の3館に分かれ、また収蔵や研究
センタとして、清州館が建設中です。
今日は、ソウル館の紹介です。
ソウル館の建物です。 歴史と由縁を簡単に。
《1910年代、ここには李氏朝鮮の官庁があり、その後、1930年代、日本の植民地時代に
官立病院として建てられたもので、韓国にはもうあまり残っていないといわれるモダニ
ズム建築の1つです。 これが戦後は韓国の軍事病院として使われ、1970年代には国軍
機務司令部になり、2012年に現在の国立現代美術館ソウル館になった。》
敷地内では、新しい展示作品と思われる”船の前部”の設置工事中でした。 完成後を見たいなー。
ソウル館の常設展は、写真を中心とした特集でした。
〈とても公的なとても私的な:1989年以後、韓国現代美術と写真〉
以下、公式Webサイトからの抜粋です。
”本展は、過去30年間の韓国現代美術史において、写真媒体がどのように現代美術の言語と遭遇し、新しい作品世界を構築して来たかを眺望する展示です。
韓国初の写真展は、1957年のニューヨーク現代美術館巡回展〈人間家族展(The Family of Man)〉で、第1、2次世界大戦以後の人間に対する本質と和合の努力として企画されたこの展示は、国内の写真界に大きな影響を与えました。韓国では以後、リアリズムを根幹としたドキュメンタリー写真とジャーナリズム写真が主流をなしました。本展は、韓国美術でリアリズムを根幹とする公的イメージから始まった「写真」という媒体が、1980年代後半以降、作家個人の概念表現と審美言語として機能するようになったことに注目しました。
特に 1989年は、グローバリゼーションの観点から見ると、非常に重要な時期です。中国の天安門事件(6月)、ドイツのベルリンの壁崩壊(11月)、ソビエト連邦のペレストロイカ(1990年 8月)が呼びこんだ冷戦体制の終焉は、国際社会の価値観に大きな変化を与えました。韓国社会は、1988年のオリンピック開催と 1989年の海外旅行自由化によってグローバル化の急激な流れに乗ることになり、作家の視線や態度において大きな変化を経験することにもなりました。
「とても公的なとても私的な」展は、当代の写真家と現代美術作家がグローバル美術界で、美術の言語としての写真というミディアムをどのように借用し、使用して、新しい視覚言語として作り上げて来たかを見せてくれる展示です。デジタル革命を経験した世代が過去 30年の変化を眺望し、今後の新たな写真の可能性と向き合った時点で、「写真家」が美術家(artist)と呼ばれる脈絡に注目しようとしています。”
早速、展示を(6月29日にアップしたものの再掲) 鑑賞しているオバサン(失礼)の赤と緑の服がアクセントになりました。
作家についてのキャプションです。 4月からハングルを勉強しだしたのですが、まだ内容の理解までは出来ません。
展示室1の光景
上の写真の右壁に架かっている写真です。
漢江のタイトルがついていて、川面のきらめきを表現しているのかな?
銀塩紙へのプリントですが、切り貼りしているかのよう。
作家のキャプション。
ポートレート作品。
右下の写真を単独で。 タイトルは「焼き肉ラーーメン店で、笑うトランスジェンダ(性転換者)」
次はポラロイドの作品。 門や壁を撮っているのですが、描いているようなマチエールで、いい雰囲気があります。
作家キャプションを読むと、スクラッチングやスマッジング(絵具付け)をしているとのことで納得。
もやがかかったような作品が多い、ミン・ビョンフンさんの作品。
右端の写真を単独で。 シンプルですが、いい雰囲気があります。
一転、派手な写真。 写真の横に子供が描いような絵があります。 たぶん、この絵をもとに演出した写真を撮ったのでは?
キャプションは撮り忘れ。
上の作品群の左下から2枚をピックアップ。
面白い。 背後霊のようなものは私です。
演出した写真ですが、女性達の表情はリアルで、面白い。
この作品、意味はよくわかりません。
靴で人間を表現しているのが面白い。
この作品、キャプションを撮り忘れ。 次の作品と同じ作者のような気がします。
タイトルをみると、マイケル・ジャクソンとレーニンの滅び・・・?
在韓米軍が駐屯する現実を認識させる東豆川シリーズの姜龍錫(カン・ヨンソク) ← 公式Webサイトからの抜粋
一部ピックアップ。 撮られた人の視線が穏やかではない・・・
展示室光景
遠目には、幾何学模様に見えるが・・・ 北朝鮮のアリランフェスティバルの盧純澤(ノ・スンテク)、
マス演技なんですね
透明ボックスにはいった、女性の人体をオブジェとして様々な場所に置いた作品。 奇抜で綺麗ではあるけど、迫力は今一つでした。
中央の作品をピックアップ。
ちぐはぐな印象の作品。 合成写真で表面のビニールラップなど、わざとチープな印象にしたのだろうか?
上の写真の素材となった写真。
中世英国女性(エリザベス女王?)の衣装をまとった作家のバエ・チャンヒョか。 森村泰昌やシンディ・シャーマンの影響かな。
この作品には、ウーンと唸りました。
66の部屋にはそれぞれ異なったシーンが写されている。
キャプションによると、ドイツ、デュッセルドルフのホテルをつかって、準備に2年をかけ、撮影された。
労力とお金がかかった作品です。
一昨年、台北市立美術館で見た周慶輝の「人的荘園」もそうした作品でした。
《Saturday Night》 2007 C.Print、diasec
合成した作品ですが、面白い。
今回、最も面白いと思った作品。
韓国各地で開催されたNational Song Contestの出演者が最高にパフォーマンスした姿!
日本でいうと、NHKのど自慢の地方大会決勝で、出演者達が、本番さながらにデモ演技している感じか。
右側の作品ピックアップ。 迫真の表情が素晴らしい。 背後霊が邪魔してすみません。
キャプションです。
展示の様子
太刀魚のような魚が、置かれた写真。 なぜか気になる写真です。
6月29日の記事にも出して再掲になりますが、学芸員の説明ツアー光景です。 日本と違って、若い人の多いこと。
芸術文化に関しては、韓国の方に勢いがあります。
女性ポートレート。 美女のポートレートではなくて、ちょっと味のある写真になっています。
静謐で絵画のよう。 二つのウェッジというタイトル。
こちらは、無題ですが、二つのウェッジが存在しています。
こちらのタイトルも、二つのウェッジですがウーン。
展示の様子。
透明プラスチックにフィルムを焼き付けたような作品。
廃校となるハイスクールの科学教室、それが医務室に変わった光景を捉えたもの。
忘却の海に流れさる、リアルなある一瞬が写真に残されると、不思議な重みで迫ってきます。
写真展は、まだファッション写真のコーナがあるのですが、それは次回に。
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