「なんだ、そのなりは」
腕を組んだままの一輝の指摘で、氷河は駅のロッカーに預けてあった洋服に着替えたのを思い出していた。
「まさか、カラオケに制服っていうわけにもいかないだろう」
氷河は靴を脱ぎ、自らの部屋に戻るために一輝の脇をすり抜けようとした。が、その腕を力強い腕に掴まれていた。
「門限を破っておいて、なにもなしか?」
一輝は氷河を傍らに引き寄せた。
「オレには門限なんかない」
そんなことは聞いたこともない。
「ある、お前の門限は学業と行事を終えてから屋敷に帰り着いた時間だ」
「そんな、無茶な門限があるか」
小うるさく横暴な一輝の言い草に、氷河は大きく息を吐いた。
「なんだ、その口の聞き方は、それが年長者に対する態度か」
「好きで年下になったわけではない」
氷河は聖闘士であったとき、一輝との歳の開きは1年だった。短気で考えなしの一輝より、当時の自分のほうが、精神年齢ははるかに高かったのだ。
「なんだ、その言い草は」
一輝は氷河の頬を指で摘み、引っ張った。
「やめろッ! 子ども扱いするな、このジジイッ!」
氷河が病に罹らねば、そして甦ることがなければ、一輝との年の開きも、力の開きもここまでにはならなかった。
「以前(まえ)から気に障っていたが、オレはジジイではない」
一輝は引いた頬に捻りを加えた。
「オレから見ればジジイじゃあないか、年を考えろ、年を」
眉間の皺の濃くなった一輝の顔を氷河は見上げた。
「上等だ…」
一輝は唇の端を吊り上げた。
だがその笑みはいつもの余裕のあるものではない。心なしか、表情が引き攣っているような気がする。
「…確かに、年齢も上だが…体力はオレの方が遥かに上だ」
そう口にした一輝に氷河は軽々と担ぎ上げられていた。
「続く」
またまた、日記☆
昨日、私の身長より高い本棚からイクラ「猫」が落下して来ました。
超ショックです。
一枚の座布団を争ってのギャー「もう一匹のうちの猫」との争いに負けてはたき落とされたらしいのですが(2重にショック)なんか物悲しい気分になりました。
腕を組んだままの一輝の指摘で、氷河は駅のロッカーに預けてあった洋服に着替えたのを思い出していた。
「まさか、カラオケに制服っていうわけにもいかないだろう」
氷河は靴を脱ぎ、自らの部屋に戻るために一輝の脇をすり抜けようとした。が、その腕を力強い腕に掴まれていた。
「門限を破っておいて、なにもなしか?」
一輝は氷河を傍らに引き寄せた。
「オレには門限なんかない」
そんなことは聞いたこともない。
「ある、お前の門限は学業と行事を終えてから屋敷に帰り着いた時間だ」
「そんな、無茶な門限があるか」
小うるさく横暴な一輝の言い草に、氷河は大きく息を吐いた。
「なんだ、その口の聞き方は、それが年長者に対する態度か」
「好きで年下になったわけではない」
氷河は聖闘士であったとき、一輝との歳の開きは1年だった。短気で考えなしの一輝より、当時の自分のほうが、精神年齢ははるかに高かったのだ。
「なんだ、その言い草は」
一輝は氷河の頬を指で摘み、引っ張った。
「やめろッ! 子ども扱いするな、このジジイッ!」
氷河が病に罹らねば、そして甦ることがなければ、一輝との年の開きも、力の開きもここまでにはならなかった。
「以前(まえ)から気に障っていたが、オレはジジイではない」
一輝は引いた頬に捻りを加えた。
「オレから見ればジジイじゃあないか、年を考えろ、年を」
眉間の皺の濃くなった一輝の顔を氷河は見上げた。
「上等だ…」
一輝は唇の端を吊り上げた。
だがその笑みはいつもの余裕のあるものではない。心なしか、表情が引き攣っているような気がする。
「…確かに、年齢も上だが…体力はオレの方が遥かに上だ」
そう口にした一輝に氷河は軽々と担ぎ上げられていた。
「続く」
またまた、日記☆
昨日、私の身長より高い本棚からイクラ「猫」が落下して来ました。
超ショックです。
一枚の座布団を争ってのギャー「もう一匹のうちの猫」との争いに負けてはたき落とされたらしいのですが(2重にショック)なんか物悲しい気分になりました。