JINX 猫強

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聖闘士学園へようこそ 【番外編】

2013-01-15 23:23:00 | 一輝・氷河ss
――何がいけなかったのか…。
 氷河は吐息を漏らした。

 先日、ある生徒に「お兄さんになって下さい」と、言われた。
 鈴木という、一見線の細いその少年は、どこかの会社の社長の息子で、何人かいる兄弟の末の息子ということで、肉親に甘やかされ気味に育ち、小さなことが原因で不登校になってしまったらしかった。
 不登校&ひきこもりを案じた親族が、この「聖闘士学園」「へ編入を進めたらしかった。


――聖闘士学園。

 現・グラード財団総帥となった城戸沙織が創設した学園であった。

 
 聖戦を終え、激闘に明け暮れた青銅聖闘士を聖闘士としてではなく、年相応の学生生活を送らせるべく、城戸沙織は青銅聖闘士たちをそれぞれ高校に送り込んだ。
 だが、青銅聖闘士たちはその有り余る力で公共の建築物を壊しまくり、その賠償額は城戸沙織の予想金額を遥かに超えた。
 特に白鳥星座の聖闘士と、不死鳥星座の聖闘士に関わる請求書は群を抜いた。


 ある日、学校をサボりながらも暇を持て余した不死鳥の聖闘士・一輝は、真面目に学校生活を送っているであろう、白鳥星座の聖闘士・氷河をからかおうと、氷河の在籍する高校へ出向いた。
 そのとき、たまたま氷河はヤクザの息子と揉めていた。
 氷河はロシア人の母の血を色濃く継いたハーフであった。
 その金色の髪と、サファイアのような蒼い瞳は人目を引いた。
 その髪を染めろと強要され、氷河は無視した。
 ヤクザの息子の要求を物ともしない氷河の態度に苛立った生徒は、仲間を集め氷河の襲撃に出た。
 氷河は向かってきた相手を、適度に叩きのめした。
 自身も武道を嗜み、腕に自身のあった生徒は、氷河にプライドを傷付られ、カツアゲをするべく因縁をつけ、逆に叩きのめされた一輝に生意気な生徒を叩きのめすべく助っ人を頼んだ。
 相手が氷河だと知って、一輝は一も二もなく引き受けた。
 一輝の挑発を受け、氷河は小宇宙を発動させ、周囲の建築物を瓦礫と化させてしまった。
 その知らせを受け、城戸沙織は肚を立てた。
 これなら自分で学校を創設したほうが安く上がるではないかと思った沙織は、即座に学校を創設してしまった。
 一輝を始め、氷河たち青銅聖闘士は「聖闘士学園」に放り込まれた。
「聖闘士学園」は国の許可を得、富士の樹海の一部を切り開いた全寮制の学園であった。
 品行方正・学力向上を唄い、入学生・編入生を募った。
 勿論、学園施設・教師は全世界から優秀な人材を揃えた。
 全国の問題児達も、快く引き受けた。
 生徒に聖闘士も混ざっているのだから、イジメも問題行動もない。
 そのぐらいの配慮はするようにとの、沙織の無言の圧力をうけ、氷河たちは学園生活を送っていた。

 

■続く■