「ねぇ、氷河を知らない?」
瞬は氷河の部屋を訪れ、同室者に問いかけた。
先ほど氷河に一緒に風呂に入るよう誘われたが、瞬は入浴を済ませてしまった後だった。それを言ったときの表情のうかなさが、瞬には気にかかっていた。
「城戸なら風呂へ行ったよ、さっき城戸さんと部屋を出て行ったぜ」
古賀という同室者は、どうでも良さそうに答えた。
机の上には参考書や教科書・ノート等が散りばめられているから、たくさんの課題が出たのかも知れないが、瞬はそんなことは気にはしない。
「城戸って、どの城戸?」
瞬や、星矢やら“さん”はつかない。
部屋に入り、机の上に広げられている教材と、古賀との間に顔を潜り込ませて問いかけた。
「一輝さんだよ、あんたの兄ちゃん、最近、金髪君となかがいいからなー」
なんでもないことを発せられ呟かれた言葉に、瞬の額に青筋が浮かんでいた。
実際、兄と氷河のことなど、この同室者に取ってはどうでも良い事無の間も知れななかった。
が、瞬には違った。
兄と、氷河が仲睦まじい――それは、水と油が融合するより困難なことなのだ。
原因は並べて兄にある。
その兄と、氷河が風呂――。
あり得ないことに、瞬は身体を震わせた。
同室者の物といげな呼びかけなど、もう瞬は聞いてはいなかった。
春、桜の季節となりましたが、“真冬の怪談”良かったら読んでやってください。
瞬は氷河の部屋を訪れ、同室者に問いかけた。
先ほど氷河に一緒に風呂に入るよう誘われたが、瞬は入浴を済ませてしまった後だった。それを言ったときの表情のうかなさが、瞬には気にかかっていた。
「城戸なら風呂へ行ったよ、さっき城戸さんと部屋を出て行ったぜ」
古賀という同室者は、どうでも良さそうに答えた。
机の上には参考書や教科書・ノート等が散りばめられているから、たくさんの課題が出たのかも知れないが、瞬はそんなことは気にはしない。
「城戸って、どの城戸?」
瞬や、星矢やら“さん”はつかない。
部屋に入り、机の上に広げられている教材と、古賀との間に顔を潜り込ませて問いかけた。
「一輝さんだよ、あんたの兄ちゃん、最近、金髪君となかがいいからなー」
なんでもないことを発せられ呟かれた言葉に、瞬の額に青筋が浮かんでいた。
実際、兄と氷河のことなど、この同室者に取ってはどうでも良い事無の間も知れななかった。
が、瞬には違った。
兄と、氷河が仲睦まじい――それは、水と油が融合するより困難なことなのだ。
原因は並べて兄にある。
その兄と、氷河が風呂――。
あり得ないことに、瞬は身体を震わせた。
同室者の物といげな呼びかけなど、もう瞬は聞いてはいなかった。
春、桜の季節となりましたが、“真冬の怪談”良かったら読んでやってください。
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