吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

誰のための場所作りなのか

2012-04-05 22:08:58 | インポート
昨日、さっちゃんをプールへ連れて行くために、私が施設へお迎えに行くと
施設から出てくる利用者さんたちの後ろから、職員の女性が出てきました。

表情が、ちょっと…?

と、思いつつも、他の利用者さんたちとじゃれていると
「おかあさん、この子からお話があるそうです」
と、声を掛けられました。

ああ、やっぱり。

振り向くと、さっちゃんがときどきちょっかいを出しては泣かせてしまっている
少し足の不自由な女の子が、靴を持って立っていました。
(実際には、さっちゃんが手を出していないのだけれど
 その子が泣くから、さっちゃんが「何かしたことになってしまう」こともあるらしい)

女の子は何も言わずに、靴を持って立っているだけでしたが
状況と、職員さんから感ずる空気から察するに
おそらく、さっちゃんがその子の上靴に唾のイタズラをしたらしい。
「つばで濡れちゃったかな?」
私が声を掛けると、その子は頷きました。
「ごめんね、気持ち悪いよね
 おばさんが拭きましょうか?」
私がポケットティッシュを取り出そうとすると、その子は首を振って
「いい」
と、小さく答えました。
「ごめんなさいね」
私がそう言うと、その子は小さく頷いて、送迎バスに乗り込んでいきました。
その間、その子から「積極的に発せられた“お話”がない」ことに注目したい。
更に、その子と私のやり取りを、なんの説明もフォローもなしに
無言で冷たい空気を放っていた女性職員さんにも注目したい。
きっと、おこらりたのでしょう、さっちゃんは無言で下を向くばかりです。
バスを見送りながら、私はさっちゃんと後ろの人にはっきりと言いました。
「春だもん、落ちるかなくて色々あるわな」
そっして、さっちゃんの小さな手をぎゅっと握りました。
そして、後ろを振り返ると、「仏頂面の」女性職員さんに
「笑顔で」挨拶をしました。
「さようなら」
「さようなら」
彼女の顔は、最後まで笑顔になることはなく
ぶっきらぼうに挨拶がこだましただけでした。

なるほどね。

そして、私は、下を向いたままのさっちゃんとプールへ向かい
Kちゃんを見つけて、やっと嬉しそうに笑ったさっちゃんに安心して
サプライズ計画を決行したのです。
Kちゃんの話では、最初は少し表情が硬く
ロッカーのドアを乱暴に閉めるなどの、イライラした様子もあったものの
プールで遊ぶうちに気持ちが落ち着いたのか
いつもの笑顔に戻ったと言っていました。
ヘルパーさんは、対一で相手と接することが多いので
施設の職員さんよりは、相手の微細な変化に気付きやすいと思います。
でも、それを差し引いたとしても。
あまりにも、あまりにも。

駄目っぽい。

さっちゃんが、中学校時代にお世話になった先生に、N先生と言う方がいます。
N先生は、とても子供が大好きでな人で
手の掛かる、おぼつかない子供たちのことを
「ぴよぴよした子たち」と表現する方がいます。
その表現と言い方を聞いていると、先生がどれほど子供好きかが分かります。
子供たちを可愛いと思うあまり、暴走的な発言をすることもありますが
全く毒っ気を感じないのは、気持ちの中に毒がないからなのでしょう。
もちろん、ただべたべた甘やかしているわけではなく
怒るときはがちっと怒ります。

人と人を比べてはいけないことは、充分承知しています。
同じことをされたら、自分が非常に不愉快だと言うことも知っています。
ですが、不愉快になるのは何故か。
比べられた相手が、自分よりも優れているからではないでしょうか。

仕事がうまく回らないのを、誰かのせいにしていた人が
その「誰か」が転勤なり、退職なりでいなくなって
それでもやっぱり仕事がうまく回らなかったとき
今度は、誰のせいにするのか。

施設長、調理のAさん、I 先生、Eさん
私の予感が早くも当たってしまったようです。
新年度が始まって、1週間も経たないうちに、この有り様です。

おまえは1週間もたんのか。

仕事が出来る出来ないの問題ではなく
この人たちが好きになれない人は、この仕事をして欲しく無い。
社会で生きていくのが困難な人たちの施設で
その人たちを、自分の歩幅に合わせて歩かせようとして
それが出来ない子を「悪い子」と決め付けて
今度は、じわじわと親を責め出す人間性が理解出来ない。
一体、誰のための施設なのか。
誰に居心地良くしたいのか。

ちなみに、昨日私に「お話」があるはずだった女の子は
私に限らず、他の親御さんにも、積極的に話し掛ける子ではありません。


気分が悪くなってしまった人のために、面白ネタをひとつ。

昨日、さっちゃんとKちゃんのプールに乱入する予定だった私は
焦る必要など無いのに、何故か焦って水着に着替えたらしく
プールへ出て、荷物を置いたときに、ふと近くの鏡を見ると
水着の、みぞおちから胸までのファスナーが全開になっており
老いたキューティーハニーみたいな自分に、自分でぶっくりしてしまいました。
面白かったので、早速Kちゃんにそれを言うと、豪快に笑い飛ばしてくれました。
ものすごく嫌なことは、こうやって解消するのが良いのです。
(だからって、わざとファスナーを全開にしたわけじゃないんだけどね)