モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

ヒソップ・パープルの花

2011-07-01 20:44:03 | その他のハーブ

(写真)ヒソップ・パープルの花


ヒソップは、“聖なるハーブ”として古代から宗教の儀式と密接に関わってきた。
ギリシャ語の属名“Hyssopos”は“聖なるハーブ”を意味するヘブライ語の“ezob(エゾブ)”から来ているといい、神殿を清めるのに使われたり、ハンセン氏病患者を消毒する薬草として使われてきた。
中世の頃には、キリスト教の儀式で聖水を振りまく刷毛として使われ、シェクスピア(William Shakespeare、1564-1616)の時代のイギリスでは、ストゥルーイング・ハーブ(Strewing Herbs)の一つとして使われてきた。

バージンロードを芳香性のある花々を“撒き散らかす(Strewing)”、あの映画的なシーンが“ストゥルーイング”で、災いを清め新婚を祝う儀式として人気があったという。
花が少ないイギリスでの贅を尽くしたビックイベントであり、ヒソップの他にフェンネル、ローズマリー、タイム、バジル、ミント、カモマイル、ラベンダー、バラなど香りが良いハーブが使われてきた。

しかし、実際のヒソップは、決して見栄えが良いわけでもなく、花が素晴らしいわけでもない。和名では、「ヤナギハッカ」と呼ばれるように、小さな細長い葉とヒョロッとした枝ぶりの先に薄紫の小さな花が咲き、ヒソップの価値観を知らないと見逃してしまう普通のたたずまいをしている。
聖なるハーブ、清めのハーブとも言われるが、「謙虚」という花言葉が良く似合う。

だからか、写真よりもボタニカルアートの方が素晴らしい。
このイラストは、ドイツの植物学者でボタニカルアーティストのオットー(Otto Wilhelm Thomé 1840-1925)が描いているが、腕がいいアーティストが描く植物画は素晴らしい。実物以上にわかりやすい。

 

(出典)caliban.mpiz-koeln
http://caliban.mpiz-koeln.mpg.de/thome/band4/tafel_056.html

ヒソップ・パープル

・シソ科ヒソップ属の多年性の小潅木。
・学名は、Hyssopus officinalis L.(1753)。英名はHyssop Purple、和名はヤナギハッカ。
・原産地は、ヨーロッパ南部、地中海沿岸。
・丈は30-60cmでまっすぐに成長する。葉は細長く濃い緑色でかすかにハッカの香りがする。
・開花期は6月から夏の間にパープルの花が咲く。ピンクの花が咲くヒソップ・ローズもある。
・古代からハーブとして用いられ、20世紀には慢性的気管支炎の治療薬としても使われた。妊婦は要注意のハーブとなる。
・キャベツ、ブドウの外敵を寄せ付けないコンパニオン(companion)植物として使われる。


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